
イランの最高指導者であるモジタバ・ハメネイ師は、8月28日に公表した公式声明において、国家の安定と社会秩序を維持するため、国民の結束を損なうあらゆる言動を全面的に禁止すると宣言しました。声明の中でモジタバ師は、国民の士気を低下させるような悲観的な言説や批判的な発言を厳に慎むよう政府当局者らに強く命じ、「社会的結束を損なういかなる行為も禁止する」と強調しています。米国による厳しい経済制裁や海上封鎖の影響によって国内経済が深刻な打撃を受ける中、政権内部の分裂を指摘する外部からの声に対抗し、国民の動揺を抑え込む狙いがあるとみられています。
さらにモジタバ師は、公の場で発言する立場にある指導層や政府職員に対し、常に「イランの力と強さ」を内外に誇示し、国民に前向きな希望と自信を与える発言に徹するよう厳しく求めました。社会が直面している弱点や欠点、行政機構の不備などをことさらに語り立てたり強調したりする必要は一切なく、現下の危機において真に求められているのは、山積する課題を具体的に解決するための周到な計画と果敢な行動であると指摘しています。また、「戦争か交渉か、妥協か武力行使か」といった極端な二元論による議論は、国民の間に無用な対立や深刻な亀裂を生み、国家に大きな損失をもたらすだけであるとして明確に退けました。
イラン国内では、長引く対外的な緊張と経済的孤立に伴い、物価の高騰や生活必需品の不足に対する市民の不満が根強く渦巻いています。指導部は過去に全国規模で発生した抗議デモの再燃を強く警戒しており、今回の声明を通じて政権内部の意思統一を図るとともに、国民に対して体制への忠誠と結束を強く促す形となりました。国営メディアを通じて発信されたこの強い警告は、対外的な圧力に立ち向かうための国内基盤の引き締めを象徴するものです。
大統領主導の経済対策を全面支援 国内生産強化と生活防衛へ
モジタバ師は今回の声明において、軍事的な側面への直接的な言及を避ける一方で、国民生活を直撃する経済問題の克服に最優先で取り組むよう指示しました。マスード・ペゼシュキアン大統領が進める物資調達や市場安定化に向けた政策を高く評価し、大統領の指導体制のもとで国民が一致団結して難局に立ち向かう重要性を訴えています。
具体的には、急速なインフレの抑制をはじめ、深刻化する失業問題への対処、生活必需品や各種市場における適正な価格管理など、市民生活の安定に直結する具体策の着実な実行と国内生産力の強化を厳命しました。米国がイランに対する経済制裁を強化し、軍事攻撃から経済的圧力へと対抗手段を切り替える中、国内の経済的疲弊が体制の根幹を揺るがす最大の火種になりかねないとの危機感が背景にあります。イラン指導部は生活防衛を最優先課題に掲げ、経済対策を通じて内政の引き締めと政権基盤の安定化を図っています。








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