
沖縄県名護市辺野古沖で3月16日、同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒ら21人が海に投げ出される形で小型船2隻が転覆し、武石知華さん(当時17)と船長の金井創さん(当時71)の2人が死亡、計14人が重軽傷を負った事故を巡り、同校は8月30日夜、保護者説明会を開催しました。
出席者によると、学校側は安全管理に不備があったことを改めて謝罪し、今年度の沖縄研修旅行を全面的に中止する方針を説明したということです。事故当時、現場海域には波浪注意報が発令されていましたが、引率教員らは気象情報を確認していませんでした。さらに、生徒たちが乗船した船は、新基地建設に反対する団体が抗議活動に使用しているもので、海上運送法に基づく事業登録も行われていない無登録船でした。
この重大な事態を受け、同校を運営する学校法人同志社(京都市)は再発防止に向けた抜本的な組織改革に乗り出しています。法人全体で安全対策やマニュアル策定を一元的に担う「安全管理室」を9月1日付で新設し、同大法科大学院の林昭一教授が室長に就任することが決まりました。同室は、校外活動を含む系列の中学・高校8校などの安全対策のほか、活動の事前審査や承認、教職員への安全管理教育などを一体的に担う体制となります。
また、平和学習の過程で生徒が抗議船に乗船したことについて、外部有識者による新たな特別調査委員会(第三者委)を8月中にも設置する見通しです。同委員会では、研修内容において教育の政治的中立性や適切性が保たれていたかどうかの厳格な検証を進める方針を固めています。これに先立ち設置されていた第三者委の報告では、学校側の安全配慮義務違反や法人の危機管理体制の不備がすでに指摘されており、学校法人は一連の事態に対する説明責任と組織風土の抜本的な改善を迫られています。
遺族の告訴による家宅捜索と理事長らの引責辞任
事故を巡っては刑事事件としての捜査も本格化しています。亡くなった武石さんの遺族は、当時の校長や引率教員、運航団体の代表ら計11人を業務上過失致死傷などの容疑で海上保安庁に刑事告訴しました。告訴を受理した同庁は、7月25日に同校を家宅捜索し、資料を押収しています。
これを受け、同校は2学期から告訴された引率教員らを生徒と直接関わらない業務へ配置換えすると説明しました。また、研修旅行に関わっていた別の教員1人が8月23日に事故で死亡していたことも新たに公表され、学校側は教員の心のケアにも努めるとしています。
経営層の責任も問われており、法人と学校は関係者の処分や人事異動を決定しました。同校を運営する学校法人の八田英二理事長(77)は、8月21日の臨時理事会において事故の一連の責任を取る形で辞任意向を表明しました。また、西田喜久夫校長については、事故前後の対応を総合的に判断した結果、8月31日付で解任されることが決まりました。解任された前校長の後任には、同志社大学の宿久洋副学長が9月1日付で新たに就任します。
法人と学校は、新たな体制のもとで法的責任の究明に向き合うと同時に、失墜した信頼の回復と抜本的な安全管理体制の再構築という極めて重い課題に直面しています。












-300x169.jpg)