
米軍によるイラン南部ララク島への攻撃を受け、イランは8月31日、ヨルダンにある米軍駐留基地を弾道ミサイルで攻撃したと発表しました。革命防衛隊はミサイルや無人機の発射映像を公開し、米軍への報復と位置付けています。中東の海上交通の要衝ホルムズ海峡をめぐる軍事的緊張は、周辺国を巻き込みながら再び高まっています。
米中央軍(CENTCOM)は30日、革命防衛隊の機雷敷設部隊がホルムズ海峡の商船航行に「差し迫った脅威」をもたらしていたとして、限定的かつ精密な措置を実施したと発表しました。標的はララク島で海上への機雷散布に使われる可能性があったロケット発射装置2基とされています。イラン国営メディアは、この攻撃で数人が死傷したと伝えました。
ララク島は、ペルシャ湾とオマーン湾をつなぐホルムズ海峡に近接しています。同海峡は原油などの重要な海上輸送路であり、航行の安全が損なわれれば、エネルギー供給や原油相場に幅広い影響を及ぼしかねません。米軍によるイラン領内への攻撃が確認されたのは、7月下旬以来です。
これに対しイラン革命防衛隊は31日、ヨルダンのキング・フセイン空軍基地とアルアズラク空軍基地へのミサイル攻撃を実施したと主張しました。技術・整備関連の施設などを標的にしたとしていますが、被害規模は確認されていません。
ヨルダン軍は31日未明、領空に侵入したミサイル8発を迎撃し、大きな被害はなかったと発表しました。一方、イランはアラブ首長国連邦(UAE)の米軍関連施設への無人機攻撃も発表。UAE国防省は領海上での迎撃を認める一方、イラン側が主張するアルミンハド空軍基地への攻撃は否定しています。
米国は報復を警告 攻撃拡大の回避が焦点に
トランプ米大統領は31日、電話取材に応じ「(イランに)強烈な打撃を与える」と警告。一方、ホワイトハウスでは米軍のララク島攻撃を「非常に限定的な作戦」と説明し、戦闘再開には否定的な見方を示しました。
イラン外務省は31日未明、正当防衛の権利行使をためらわず、いかなる軍事的侵略にも断固として対応すると表明しました。攻撃と報復が短期間に繰り返されており、偶発的な衝突が対立を深めるリスクは残っています。キルギスで開催中の上海協力機構(SCO)首脳会議に向かったイランのペゼシュキアン大統領は、戦争を望んでいないと述べたと伝えられています。
今後は、米国の追加攻撃やイランのホルムズ海峡周辺での軍事行動拡大の有無が焦点です。周辺国の防空対応が、緊張拡大を防ぐ要素となります。










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