
トランプ米大統領は8月31日、交流サイト(SNS)への投稿で、イランを「失敗国家」と呼び、指導部が完全に混乱状態にあり、国を適切に代表できていないと厳しく非難しました。この投稿は、米イラン両国が軍事的な応酬を繰り広げた直後になされたもので、米国とイランの間では戦闘終結に向けた外交努力が続く一方、交渉の進展は見えず、米側が経済・軍事の両面から圧力を強める局面となっています。
トランプ氏は投稿で、イランには海軍も空軍もなく、通貨も機能していないと主張したうえで、兵士や警察官への給与が支払われておらず、インフレも制御できていないと批判しました。さらに抗議活動への当局の弾圧により「10万人以上」が死亡したと主張し、指導部は人道に対する罪に問われるべきだと訴えました。ただし、この死者数を含む同氏の主張について、独立した形で詳細が確認されたわけではありません。
背景には、戦闘終結をめぐる米イラン交渉の停滞があります。報道によると、米国とイランが6月に交わした戦闘終結に向けた覚書は破綻し、戦闘の終結時期は見通せない状態です。トランプ政権は軍事的な圧力だけで局面を動かすことが難しいと判断し、イランを経済的に孤立させる戦略へ比重を移しているとみられます。
米財務省は8月24日、イランと取引する外国企業などにも関係断絶を迫る二次制裁の拡大を発表しました。デジタル資産や海運、航空など5分野を新たな対象に加え、イランの外貨収入や物資調達を制約することで、交渉での譲歩を引き出す狙いがあるとみられます。一方、イラン外務省は米国の制裁を「経済テロ」と非難し、報復措置を講じる方針を示しています。
ホルムズ海峡の管理が焦点に 外交打開はなお不透明
対立の主要な争点の一つは、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の管理です。イランは海峡での主導権を容易に手放さない姿勢で、米国との妥協を難しくしています。海峡を通るエネルギー輸送が不安定化すれば、中東情勢にとどまらず、原油価格や世界経済にも影響が及びかねません。
報道によると、仲介国のパキスタンやカタールの関係者がイランを訪問し、アラグチ外相らと協議を重ねています。米国が制裁や海上封鎖による圧力を強める一方、イランも反発を維持しており、早期の合意を見通せる状況ではありません。トランプ氏の強い表現は国内外に圧力を示す意図があるとみられますが、緊張緩和につながるかは不透明です。












-300x169.jpg)