
ネパールと中国の国境付近で8月26日に発生した大規模な土石流と洪水は、9月2日で発生から1週間を迎え、被害の全容が徐々に明らかになってきました。現地の災害当局などによると、両国を合わせた死者数は1084人に達し、行方不明者は5152人に上るなど、極めて甚大な人的被害が生じています。これまでにネパール側では懸命な救助活動により多数が救出されましたが、被災地域が広範囲に及ぶため、依然として捜索は難航しています。
今回の壊滅的な災害の引き金となったのは、標高約5200メートル付近での巨大な氷河と岩盤の崩落です。崩落した岩盤は1200メートル下まで滑り落ち、マグニチュード5.2の地震に相当する強大なエネルギーを放出しました。
改めて被害状況を確認すると、これまでに両国計で確認された死者数は1084人、行方不明者数は両国計で5152人となっています。
崩落時の摩擦熱によってさらに氷河が溶け、その水分が土石流の勢いを致命的なレベルまで増大させた構造が浮き彫りとなりました。また、従来の警報システムである水位計が大量の土砂に真っ先に押し流されてしまったため、十分な避難の呼びかけが機能しませんでした。そうした中、ある現地の学校では校長の素早い判断により、濁流に校舎が水没するわずか数分前に全生徒を高台へ避難させることに成功したという間一髪の事例も報告されており、局地的な判断が明暗を分けたことも明らかになっています。気候変動がもたらす連鎖的な大災害の予測が現実のものとなった形であり、今後の復旧復興の道筋は全く見通せない状況が続いています。
行方不明の邦人5人は大阪の家族か 日本政府も専門チームを派遣
この大規模災害では、多数の外国人観光客も被害に巻き込まれており、39カ国の外国人と連絡が取れていない中、旅行中だった日本人家族5人の安否も依然として分かっていません。行方不明となっているのは、大阪府内在住の「ヤマモト」姓の家族とみられ、41歳の男女と、10歳の女児、6歳と3歳の男児の計5人です。一家のうち1人は大阪府立学校の教諭、2人は大阪市立小学校の児童とされており、休暇を利用して中国側からネパールに入国し、現地の運転手と合流した直後に土石流に巻き込まれた可能性が高いとみられています。
事態を重く見た日本政府は、ネパール政府に対して現地での迅速な捜索と救助活動を強く要請しました。さらに外務省は、海外での緊急事態発生時に邦人保護の対応にあたる専門家集団である「海外緊急展開チーム」を現地に派遣し、対策室を設けて情報収集を急いでいます。現地では大量の土砂や泥により道路網が寸断されているため、捜索活動は極めて困難な状況が続いていますが、一刻も早い安否確認と救出が待たれています。












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