
大阪府は9月1日、不動産投資商品「みんなで大家さん」を全国規模で展開・運営する都市綜研インベストファンド株式会社(大阪府吹田市)について、不動産投資事業を行うための許可を取り消したと発表しました。行政側は事業継続が不可能と判断した上で、あわせて投資家への誠実な説明や事業の整理・清算を適切に進めるよう同社に指示しました。
「みんなで大家さん」は、多くの個人投資家から集めた多額の資金を元手にして開発用地や不動産を取得・運用し、そこから得られる賃料などの収益を分配する小口化商品の仕組みでした。特に年7%という高い利回りの分配金を大々的にうたうことで人気を集め、これまでに3万8000人あまりの出資者から総額約2000億円もの巨額の資金を集めていた一大プロジェクトでした。
しかし、大阪府が今回、事業の停止のみならず許可そのものの取り消しという極めて重い処分の理由として挙げたのは、同社が抱える致命的な財務状況の悪化です。決算において同社は約2881億円の債務超過に陥っていることが認定され、不動産投資事業を行うための許可基準を満たしていなかったことが明らかになりました。
また、出資者を勧誘する営業活動の際にも、重大な法令違反の事実が発覚しています。会社側が商品を販売するにあたり、投資対象となる物件の入居テナントから家賃の支払いが滞り、収益性が著しく悪化していたことを事前に把握していました。それにもかかわらず、投資家に提示する説明資料には不利益な事実を伏せて「該当なし」と虚偽の記載をしていました。投資家向けの説明資料に不利益な事実を記載していなかったことにより、9つの商品で、280人の投資家からあわせて約6億4300万円の資金を集めていた事実も処分の理由に挙げられています。
出資者への返済遅延と事実上の事業終了、今後の懸念点
財務面の破綻は、すでに実際の出資者への返金トラブルとして表面化しています。本来であれば出資者に返す予定だった資金について大規模な返済の遅れが発生しており、合計で約188億円(対象となる出資者は7511人)が期限までに支払われていませんでした。
事態はさらに深刻さを増しています。今後、順次返済期限を迎える商品についても、返済予定額が約1724億円(対象となる出資者は約6万5000人)にのぼる一方で、会社側に残された現預金残高はわずか9000万円あまりに過ぎません。このような資金不足に加え、保有資産の差し押さえが相次いでいることや、返済の原資として見込んでいた資金調達計画が全く進んでいない状況などを踏まえ、大阪府は「期限どおりの返済は極めて困難」との厳しい見方を示しました。
事業許可が取り消されたことで「みんなで大家さん」は事実上の事業終了となりますが、大阪府は会社に対し、既に契約している出資者への対応や事業の整理が完了するまでの間、適切な説明と相談対応を継続して行うよう求めており、今後の対応が注視されています。












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