
9月3日の東京外国為替市場において、円相場は大きく買い戻され、一時1ドル=156円30銭台まで急伸する展開となりました。この水準は、同年8月7日以来およそ1か月ぶりの円高水準となります。午後5時時点では、前日比2円66銭の大幅な円高・ドル安となる157円03~06銭で大方の取引を終えました。また、対ユーロでも急落し、同時間帯で1ユーロ=182円22~26銭となっています。
前日の海外市場では、米国の利上げ観測がやや後退したことや長期金利の上昇が一服したことを背景にドル売りが広がり、一時1ドル=158円20銭台をつける場面がありました。しかし、3日の東京市場に入ると午後にかけて急速に売り基調が強まりました。前日9月2日の午後5時時点において対ドルの円相場は159円69〜71銭で推移していましたが、3日午後5時時点では前日比2円66銭の大幅な円高・ドル安となる157円03〜06銭となりました。対ユーロの円相場についても、前日同時刻の184円89〜90銭から2円66銭の円高・ユーロ安となる182円22〜26銭へと急変動し大方の取引を終えています。
この大幅な円高の背景には、日本銀行による利上げペースが加速するとの観測が市場で強まったことが挙げられます。日銀の高田創審議委員は9月2日、札幌市内で行った講演において、今後の利上げについて一定の間隔や幅にとらわれることなく、機動的に対応していく必要があるとの認識を示しました。9月17日および18日の金融政策決定会合で、現在の1.0%程度から政策金利を引き上げる必要性を示唆したことで、日米金利差の縮小を意識した円買いが活発化しました。さらに、当局が為替水準を照会する「レートチェック」を実施したとの見方や、ストップロスの売りが巻き込まれたことも下げを加速させる要因となりました。
前日の米国市場では、中東情勢の先行き不透明感などから長期金利が上昇する局面もありましたが、徐々に米国の利上げ観測が後退し長期金利の上昇が一服したことも、ドル売り・円買いの地合いを形成しました。このように、日米の金融政策の方向性の違いが改めて市場参加者に意識される中、神経質な展開が続いています。目先は「いったん落ち着きどころを探る」とみられていますが、ボラティリティの高い相場環境には引き続き注意が必要です。
米国からの外圧と株式市場への波及効果
円高圧力をさらに高める要因となったのが、米国のベッセント米財務長官による一連の発言です。同長官は9月1日の記者会見で、日本を名指しして「リフレ政策をやめるべきだ」と発言し、積極財政の見直しや利上げを強く求めました。また、米財務省が公表した植田和男総裁との会談概要でも、円安是正に向けて日本が断固とした措置を講じることを強く支持する姿勢が示されており、市場ではこれが事実上の「外圧」として意識されています。
こうした為替の急変動と金利上昇懸念は株式市場にも波及しています。3日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比111円安の6万4214円で取引を終え、4日連続の下落を記録しました。大手証券関係者は「9月中旬の決定会合までは、株価は方向感のある動きにはなりにくい」と指摘しており、政策決定を前に様子見姿勢が強まっています。


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