
東京都江東区で今年3月に起きた、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による強盗未遂事件。警視庁捜査1課は29日までに、標的となった夫婦の情報をグループ側に流したとして、港区台場の自称不動産業・石原忍容疑者(53)を強盗未遂と住居侵入の疑いで逮捕しました。石原容疑者は不動産取引の相談を通じて夫婦の資産や家族構成などを知り、犯行計画を立てる「案件屋」に伝えたとみられています。
逮捕容疑は、「案件屋」とされる中島康博被告(50)=強盗未遂などの罪で起訴=らと共謀し、今年3月20日午後7時40分ごろ、江東区潮見の建築事務所兼住宅に窓ガラスを割って侵入したというもの。住人の60代と50代の夫婦に暴行を加えて体を縛り、金品を奪おうとした疑いです。夫婦が抵抗したため、未遂に終わりました。警視庁は石原容疑者の認否を明らかにしていません。
捜査関係者によると、石原容疑者と中島被告は2024年春ごろ、不動産関係の仕事を通じて知り合ったとみられます。石原容疑者は同じころ、不動産取引の相談がきっかけで被害者夫婦とも知り合い、自宅に複数回出入りしていたとのことです。
夫婦宅に出入りするなかで資産状況や家族構成、現金の保管場所などを把握し、2024年11月ごろに中島被告へ情報を提供した疑いがあります。当初は翌12月に実行する計画でしたが、実行役が集まらず中止されていました。
その後、石原容疑者は今年3月、別の強盗計画に失敗した中島被告から、改めて夫婦宅を標的とする計画について相談を受け、了承したとみられています。報酬は、奪った金品の50%を石原容疑者と中島被告、勧誘役の3人で山分けする予定だったということです。
初の「情報元」検挙か
警視庁がトクリュウによる強盗事件などで、標的の情報を流す「情報元」を逮捕するのは初めてとみられます。捜査1課は、情報を入手した「案件屋」が勧誘役を通じて実行役を集め、事件を起こしたとみて経緯を調べています。警視庁は、石原容疑者が情報を流しただけでなく、強盗の計画自体も認識していたとみているもようです。
夫婦宅が標的となった事件では、中島被告や勧誘役、実行役ら計7人がすでに逮捕・起訴されています。押収したスマートフォンの解析や関係者の供述から、石原容疑者の関与が浮上しました。警視庁は7月にも、別の空き巣事件で「案件屋」とされる男を初めて逮捕しています。実行役にとどまらず、組織の上流にいる役割の摘発が続いています。



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