
フランスで贈賄罪などに問われている日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(72)について、検察は禁錮4年、罰金37万5000ユーロ(約6700万円)などを求刑しました。パリの裁判所で28日に開かれた論告求刑公判で結審し、判決は2027年1月21日に言い渡される予定です。
検察の主張によると、ゴーン被告は、弁護士でもあるフランスのラシダ・ダチ前文化相(60)が欧州連合(EU)欧州議会議員を務めていた2009~13年、日産と仏自動車大手ルノーの統括会社を通じて、計90万ユーロ(約1億6100万円)を支払ったとされます。検察は、この金銭が欧州議会内での違法なロビー活動への対価だったとみています。
支払いには、弁護士報酬という名目が使われたとされます。しかし検察側は、ダチ氏が実際に弁護士業務を行った実態はなく、政治的影響力を利用した見返りだった疑いがあると指摘しています。
公判は欠席裁判の形で進んでいます。レバノンに逃亡中のゴーン被告は、今月16日の初公判以降、一度も出廷していません。被告側は書簡で公判の延期を求めましたが、裁判所はこれを認めませんでした。
検察はゴーン被告について、「責任逃れの逃避戦術を採っている」として厳罰を求めました。求刑内容は禁錮4年に加え、罰金37万5000ユーロと、5年間の企業経営禁止です。
一方、収賄罪などに問われたダチ被告に対しては、電子装置を装着しての2年間の監視を含む禁錮4年、罰金45万ユーロ(約8100万円)、5年間の公職禁止が求刑されました。
両被告は不正を否定 判決へ注目
ゴーン被告とダチ被告は、いずれも不正行為を否定しています。ダチ氏はこれまで、「ロビー活動は決して行っていない」などと主張しており、裁判では、統括会社からの資金提供が正当な業務報酬だったのか、それとも政治的な影響力への対価だったのかが焦点となります。
両被告は2025年7月に起訴され、一貫して嫌疑を否認してきました。ゴーン被告は2018年に金融上の不正行為の容疑で日本で逮捕され、その後保釈されましたが、2019年末にレバノンへ逃亡しました。
今回の事件は、日産とルノーの経営統合を支えた人物をめぐる資金の流れが問われるものであり、仏司法当局が企業と政治の関係にどこまで不正を認定するかが注目されます。来年1月の判決では、欠席したゴーン被告への刑の内容に加え、ダチ被告への処分も明らかになる見通しです。












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