
太洋物産は9月30日、宅配ピザチェーン「ナポリの窯」などを展開する株式会社いちごホールディングス(本社・仙台市)の全株式を売却したと発表しました。同年7月に完全子会社化したばかりであり、買収からわずか3カ月での異例とも言える早期撤退の決断となります。譲渡先は、アプリケーションの企画や開発などを手掛けるAI DINING株式会社(東京都港区)です。譲渡額は6億5000万円で、同日付で株式譲渡が速やかに実行されました。AI DINING株式会社の代表取締役は、株式会社いちごホールディングスの元社長である木野将徳氏が務めています。
このように短期間で大型事業の売却に踏み切った背景には、当初の想定を大きく超えるコストの発生と、組織体制における不確定要素の露呈がありました。同社の発表によると、株式交換契約を締結した4月24日から効力発生日である7月1日までの短期間において、すでに株式会社いちごホールディングス内で事業計画を上回る一時的な費用の支出や重い固定費負担が生じていたことが判明しました。さらに、外食事業の推進を最前線で担う要職者が辞任したことも重なり、今後の積極的な店舗展開や投資に対する採算性を再検討せざるを得ない状況に直面しました。
今回の譲渡は、経営資源を宅配ピザ事業以外の事業領域に重点的に配分することが、中長期的な企業価値向上に資するという判断に基づくものです。M&Aにおいて、契約から実行までの間に生じた想定外の事象に対し、早期に撤退を決断した事例となります。
堀江貴文氏が陣頭指揮へ 人材育成と知見の活用でAI・成長領域への転換を図る
ピザ事業からの撤退と同日の9月30日、太洋物産は実業家である堀江貴文氏が社外取締役から業務執行取締役へと職掌を変更する人事もあわせて発表しました。堀江貴文氏はこれまでも社外取締役として、新たな商材の発掘や事業展開の提言などで同社に貢献してきました。今後は、自らが業務執行における強い責任と権限を持ち、外部からの個人としての助言にとどまらず、組織全体を率いて活動することになります。
従業員に対する自身の経験やノウハウの伝達、教育や人材育成にも直接携わることで、企業全体の知識や能力の底上げを図る計画です。今後は堀江貴文氏の知見も活用しながら、既存事業の成長や、AI技術・DX推進を取り入れた新たな事業領域の開拓を進めていく方針です。新たな体制のもとでどのような事業を展開していくのか、今後の動向に期待が寄せられています。












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