
関東地方のマンション管理組合が発注する大規模修繕工事において談合を繰り返したとして、公正取引委員会は9月28日、設計コンサルタント会社2社と修繕工事会社40社の計42社による独占禁止法違反を認定しました。このうち38社に対し再発防止を求める排除措置命令を出し、工事を受注した修繕工事会社には計16億3788万円の課徴金納付を命じています。マンションの大規模修繕工事に関して行政処分が科されるのは今回が初めてとなります。
対象となったのは、2021年秋頃から2025年3月にかけて関東1都6県で契約された計171件の工事です。本件を主導していたのは、東京都の「翔設計」と大阪府の「リノシスコーポレーション」の設計コンサルタント2社でした。両社は管理組合から業者選定の支援を委託される立場にありながら、裏で「長谷工リフォーム」や「シミズ・ビルライフケア」、「伊勝」、「富士防」といった施工会社側と密かに話し合い、受注予定業者を事前に決定していました。
具体的な手口として、設計コンサルタント会社2社は、工事の予定価格にあたる設計予算を事前に漏洩させたり、他業者に意図的に自社より高い見積もりを出させたりすることで、管理組合に対して公平な選考が行われているように装っていました。ただし、法律上の規定により、課徴金は工事を受注した工事会社にのみ科されるため、設計コンサルタント2社には課徴金納付命令は出されていません。一方、自主的に不正を申告した「YKK APラクシー」や、すでに解散・吸収合併された3社は処分の対象から外れました。
住民へのしわ寄せと波及する影響、業界全体の自浄作用が急務に
このような悪質な癒着により競争が実質的に制限され、工事費用が不当につり上げられた結果、修繕積立金を拠出するマンション住民に大きな負担を強いる構図となっていました。公正取引委員会は、談合が確認された171件のマンション名などを公式ホームページで公開しました。報道機関の分析によれば、これは被害を受けた管理組合側が迅速に状況を把握し、損害賠償等を求めやすくするための異例の措置とみられています。
行政処分の厳罰化が進む中、処分を受けた各社は命令を厳粛に受け止めるとのコメントを出していますが、業界全体に蔓延する不透明な発注プロセスの是正と、管理組合自身による監視機能の強化が急務となっています。



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