中国系サイバー集団が日米の専門家を標的に偽装メール攻撃 小泉防衛相をかたる手口も判明

米国のサイバーセキュリティー企業である「プルーフポイント」は10月1日、中国の国益に関与するとみられるハッカー集団が、日本および米国のシンクタンクや大学関係者らを標的としたフィッシング攻撃を仕掛けていると発表しました。この一連のサイバー攻撃において、現職の小泉進次郎防衛相の公式サイトや事務所、さらには公益財団法人日本台湾交流協会からの公式な連絡を装う極めて巧妙な手口が確認されています。
同社の報告書によりますと、当該ハッカー集団は「TA419」と呼称されており、攻撃の手法や標的の選定傾向が中国の継続的な情報収集活動の特徴と完全に一致していると分析されています。彼らは少なくとも2025年4月以降から、日米の防衛関連企業や法律事務所に対しても本格的な攻撃を開始していました。具体的な手法としては、インターネット上の住所にあたるドメインを精巧に偽装し、実在する公的機関や要人になりすましてメールを送信するというものです。正規の送信元を信じ込ませることで対象者の警戒心を解き、機密情報を引き出す明確な狙いがあります。
さらに、米国における被害実態として、ホワイトハウス元高官や先端的な人工知能(AI)開発企業である「アンソロピック」の社員らをかたるケースも相次いで報告されています。高度な知見を持つAI政策専門家などに対して架空のプロジェクトへの参加を打診するメールを送り、受信者が返信をすると偽のログイン画面へと誘導してパスワード等の認証情報を不正に窃取しようと試みていました。先端技術をめぐる環境が変化するなか、サイバー空間を通じた情報収集活動が継続している実態がうかがえます。
脅威の深刻化と「能動的サイバー防御」の本格始動
こうしたサイバー攻撃の脅威が高まるなか、日本では10月1日より、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐための「能動的サイバー防御」関連法が本格的に施行されました。警察や自衛隊が必要に応じて攻撃元のサーバーに侵入し、相手を無害化する措置が可能となったほか、15業種・258事業者に及ぶ基幹インフラへの防御体制が抜本的に強化されます。
今回、標的として名前を悪用された小泉防衛相も同日の1日、自衛隊のサイバー防衛隊作戦室を視察し、任務遂行に万全を期すよう強い指示を出しています。また、最新の攻撃手法などの機微情報を官民で共有するための「サイバー協議会」も新たに発足しました。日々巧妙化する海外からのスパイ活動やインフラ攻撃に対して、国全体での強靱な防衛網の構築と官民一体となった継続的な警戒が強く求められる段階に突入しています。









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