
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、玩具販売大手である日本トイザらスの再建を支援します。ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を展開する同社は10月1日、日本トイザらスとスポンサー契約および事業譲渡契約を結んだと発表しました。
今回の契約は、日本トイザらスが同日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立てたのに伴うものです。PPIHの完全子会社であるオペレーションシェアードサービスが、国内の玩具・ベビー用品販売事業を引き継ぐ計画です。
事業譲渡の実行は、裁判所の許可などを前提に10月30日の予定。対象は「トイザらス」とベビー用品専門店「ベビーザらス」の実店舗に加え、オンラインストアを含む事業全般です。国内店舗数は2026年6月末時点で158店、従業員は約3911人に上り、PPIHは全店舗の承継と雇用の維持を目指します。
ただし、全店の承継には賃貸人など関係者の同意が必要とされています。店舗営業は、移行手続きの間も通常通り続けられる見通しです。
日本トイザらスの負債総額は約132億円。1991年に国内1号店を開いた同社は、2007年1月期に約1944億円の売上高を計上しましたが、その後は少子化やEC企業との価格競争で業績が悪化しました。2025年12月期まで8期連続で最終赤字が続き、自力での事業継続は困難と判断したとしています。
PPIHはこの事業譲受を、2025年8月に策定した長期経営計画「Double Impact 2035」に基づく成長戦略の一環と位置付けています。グループの店舗運営・販売力に、トイザらスが持つ玩具分野の専門性と店舗網を重ね、玩具業界で首位の規模を目指す狙いです。
会見で森屋秀樹社長は、トイザらスが持つファミリー層など幅広い顧客接点や専門性、店舗網がグループの持続的な成長に資するとの認識を示しました。「トイザらス」の屋号は当面維持する方針です。
大人向け玩具と体験型売り場を拡充
PPIHは今後、大人が趣味として玩具を楽しむ「キダルト」需要の取り込みに力を入れます。子どもや保護者が中心だった顧客層に、大人のコレクターやキャラクター商品のファンを加え、客層の拡大を図る構えです。
2027年からは既存店を改装し、キダルト向け商品を増やす計画。ユニーの総合スーパーや「MEGAドン・キホーテ」など、PPIHの大型店110店を候補に、施設内へのトイザらス出店も増やす方針です。
売り場面積の1割は期間限定店などの体験スペースに充てます。オリジナル商品のカプセル自動販売機やクレーンゲーム、新商品の体験コーナーを設けるほか、キャラクターとの撮影イベントも開く予定です。年末商戦に向けては、11月から全店でクリスマス企画を始めます。店舗網と雇用を維持したまま再出発し、大人向け需要を新たな成長の柱に育てられるか、PPIHの手腕が問われます。












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