
片山さつき財務相は10月2日の記者会見で、「日本版DOGE」を目に見える形で強化し、さらに深掘りする考えを示しました。米国の政府効率化省(DOGE)になぞらえ、政策効果の乏しい補助金や租税特別措置、基金を見直す取り組みです。
片山氏は前日の1日、高市早苗首相へ方針を説明し、全面的な了解を得たといいます。9日には「租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議」を開く予定です。
今回の見直しでは、来年度予算編成や税制改正に向け、各府省庁の施策の優先順位を洗い直します。片山氏は、政策目的に照らした事業の重複の排除や、技術を効率よく社会実装するための事業の整理・統合に取り組む考えを示しました。施策を大胆に重点化していく構えです。
焦点の一つが、国費を積み立てた基金です。片山氏によると、基金は約200あり、2027年度末の残高は7兆円程度になる見込み。複数年度にわたる事業の資金を安定して確保できる一方、未使用のまま残る資金の多さが問題視されてきました。
片山氏は、事業の予見可能性を保ちつつ、眠っている資金はいったん吸い上げる考えを表明。長期滞留の防止や機会費用の軽減を踏まえた国庫返納の仕組みを具体化する方針です。
背景には、来年4月から予定される食料品の消費税減税に向けた財源確保があります。減税に必要な財源は年間約5兆円。高市首相は、租税特別措置や補助金の縮小などにより、赤字国債を発行せずに手当てできると強調してきました。
政府は外国為替資金特別会計の剰余金や日銀納付金などの活用も挙げていますが、それだけで全額を賄うのは難しいとされます。基金を含めた再点検は、財源を生み出す柱の一つです。ただし、個別の制度にはそれぞれ所管省庁の利害が絡むため、削減対象の選定をめぐる調整は難航する可能性もあります。
基金の「滞留資金」をどう見極めるか
9日の会議では、各省庁に一段の精査を指示する方向です。各省庁が抱える基金の残高や執行状況を洗い出し、当面使う見込みのない資金をどう見極めるかが最初の関門。調整が進まない場合には、大臣同士の折衝も視野に入れています。
見直しの対象は、基金だけではありません。租税特別措置や補助金も、政策目的がなお有効か、利用実績や成果が見合っているか、似た制度と重複していないかといった観点からの検証が必要です。存続させるべき事業まで一律に縮小するのではなく、実効性と資金の使途を個別に確かめる作業が欠かせません。
政府がどの基金や補助金を対象とし、どれだけの財源を生み出せるのかは、現時点では明らかにされていない段階です。片山氏は財源の具体化に12月までかかるとの見通しを示しており、年末の予算編成に向けて実効性のある改革案をまとめられるかが問われます。


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