
フリマアプリ大手のメルカリが3月4日、通信事業に参入し「メルカリモバイル」の提供を開始しました。このサービスの最大の特徴は、使い切れなかったデータ通信量を他のユーザーと売買できる点です。
料金体系はシンプルで、月額990円(2GB)と2,390円(20GB)の2プランのみです。docomo回線を活用した音声通話、SMS、データ通信が利用できます。現在はiOSユーザーから段階的に提供され、Android版も近日中に対応予定とのことです。
メルカリの市場調査によると、スマートフォンの通信事業者を変更した経験が1回以下の消費者は64.4%に上ります。また、75%のユーザーが毎月のデータ通信量を使い切れずに余らせており、逆にデータ量が足りない人のうち45.2%のユーザーは、データ不足で追加購入している実態が明らかになりました。
さらに約8割のユーザーが「使い方に合わせてプランを自由にカスタマイズしたい」と希望しており、こうしたニーズに応える形で新サービスが誕生しました。
通信事業を統括する永沢岳志執行役員は、フリマアプリとの連携による申し込みから利用管理までの一貫したユーザー体験を強みとし、通信業界に新たな選択肢を提供する意向を示しています。
ギガの個人間取引システム、1GB単位で200円から500円で出品可能
メルカリの新サービス「メルカリモバイル」は、アプリ内で完結する手軽さと独自の機能で注目を集めています。オンライン契約に不慣れな方でも安心して利用できるよう設計されています。
最大の特徴は、業界初となるギガの個人間取引システムです。余ったデータ通信量を1GB単位で200円から500円の範囲で出品でき、必要な方がそれを購入できます。売却益はメルカリ残高となり、買い物やメルペイでの支払いに活用可能です。取引には10%の手数料がかかります。
サービスはdocomo回線を利用したeSIM形式で提供され、音声通話(22円/30秒)、SMS、データ通信に対応。自分の電話番号をそのまま使用することも可能です。
今後はSIMカードの提供やau回線の追加、通話定額オプションなどサービス拡充も予定されており、メルカリエコシステムの中で「ギガ」という新たな価値の循環を創出することを目指しています。