
日産自動車の経営体制が大きく変わります。11日の取締役会で、現社長兼CEOの内田誠氏が3月末で退任することが決定しました。跡を継ぐのは新車戦略を統括してきたイヴァン・エスピノーサ氏です。
厳しい市場環境や企業間連携の課題に直面する中、日産自動車は抜本的な経営刷新を図ります。執行役5人のうち4人が退くという大規模な人事異動となりました。
内田誠氏は2019年12月、前会長カルロス・ゴーン氏の逮捕後の混乱期に舵取りを任されました。在任中、フランスのルノーとの資本関係見直しを実現し、日産自動車の経営自主権回復に貢献しています。
また、工場の統廃合や人員削減など、厳しい合理化策も推進してきました。これらの施策により業績は一時好転しましたが、米国と中国という重要市場での販売不振により、再び困難な状況に陥っていました。内田誠氏は退任後も取締役として日産自動車に残る予定です。
ネット上では、「役員を4、5人かえた程度の人事でこの会社再建は難しいと思う」「日本人外国人関係無く40代の若い人材であることは評価できる」「国内市場大事にして欲しい」などの意見が寄せられています。
日産自動車の内田誠氏とは?経歴や実績
日産自動車の代表執行役社長兼CEOを務める内田誠氏は、国際的な視野と多様な経験を持つ経営者です。1966年東京生まれの内田誠氏は、幼少期をエジプトやマレーシアで過ごした国際派で、帰国後は同志社国際高校を経て、1991年に同志社大学神学部を卒業しました。
大学卒業後は日商岩井(現・双日)に入社し、機械部門から自動車関連へとキャリアを築き、フィリピンでの駐在経験も積みました。2003年、より広範なグローバル舞台での活躍を求めて、自ら志願して日産自動車に転職。
当初は購買部門からスタートし、着実にキャリアを積み上げていきました。2016年に常務執行役員としてルノー・日産自動車・三菱アライアンスの購買責任者に就任。
韓国駐在時には、ルノー韓国工場製造車の北米輸出プロジェクトで大きな成果を上げ、アライアンスの成功事例として社内で評価されました。
2018年には専務執行役員へ昇格し東風汽車有限公司総裁を務め、翌2019年12月に日産自動車のトップに就任しました。国際経験とアライアンス戦略の実績を武器に、日産自動車の舵取りを担ってきました。