
政府が検討を進めている宇宙活動法の改正法案の概要が8日に明らかになりました。改正の柱となるのは、ロケット打ち上げに伴う落下事故時の政府補償制度の拡充で、これまで対象外だった人工衛星を搭載しないロケット単体の試射も補償対象に含めることです。この法改正により、民間企業の参入障壁となっていた賠償リスクを低減し、国内の宇宙輸送産業の育成を図る狙いがあります。
現行制度では、ロケット打ち上げ時の落下事故による被害が発生した場合、民間保険でカバーできない賠償額を政府が補償する仕組みが整備されています。しかし、この政府補償の対象は人工衛星を搭載したロケットに限定されており、開発段階の試射などでは適用されませんでした。このため、新興企業にとっては打ち上げコストや賠償リスクが膨らむ要因になっていました。
改正案では、ロケットの打ち上げに関する政府許可の範囲を拡大し、開発目的のロケット単体の試射や、衛星のダミーを搭載した打ち上げなども補償対象に加えることが盛り込まれています。法案が成立すれば、民間保険に上乗せして政府補償を受けられるようになることで、開発段階の試射にダミー衛星を搭載したり、ロケット単体で打ち上げることが可能となり、コスト抑制につながると期待されています。政府は1月23日に召集予定の通常国会に法案を提出する方針です。この改正により、賠償リスクを低減して新興企業の参入を促し、民間による宇宙輸送の実現を後押しすることになります。
年間30件の打ち上げ能力確保へ、国際競争力の強化が急務
政府は2030年代前半までに、国内のロケット打ち上げ能力を年間30件程度まで増やす目標を掲げています。2024年の日本のロケット打ち上げ件数はわずか5件にとどまり、米国の153件、中国の66件と大きな開きがあります。世界全体では宇宙輸送市場が急速に成長する中で、日本が国際競争力を維持・強化するには、打ち上げ頻度の大幅な向上が不可欠です。H3ロケットはJAXAと三菱重工業が共同開発した次世代基幹ロケットで、打ち上げコストの半減を目標としています。政府は総額1兆円規模の宇宙戦略基金を創設し、民間企業の宇宙技術開発を支援する体制も整えました。今回の宇宙活動法改正は、こうした包括的な宇宙産業振興策の一環として位置づけられ、民間企業が安心してロケット開発に取り組める法的基盤を整備するものです。賠償リスクの軽減により、スタートアップを含む多様な事業者の参入が促進され、技術開発の加速と打ち上げ頻度の向上につながることが期待されています。

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