
フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は2月9日、5日に実施した自社株買いで買い付けられなかった村上世彰氏側の持ち分について、村上氏側が市場で売却する意向を確認したと発表しました。同日、関東財務局に提出した臨時報告書の訂正報告書に記載されたもので、残存株の市場売却を速やかに進めることでも合意したとされています。
FMHは2月5日、東京証券取引所の立会外買付取引「ToSTNeT-3」を通じて自社株6121万株(取得総額約2349億円)を取得。取得上限枠は7100万株・2350億円でしたが、村上氏側が保有する株式をすべて買い付けられなかった場合は残りを市場で売却することでも合意していました。
訂正報告書によると、FMHの清水賢治社長は村上氏本人に対し、今後FMH株を取得する計画があるかどうかを直接確認しました。村上氏は「今後FMH株を取得することはないと思う」と回答し、清水社長はこれを了承したとされています。また、村上氏側が関与する投資会社レノ(東京・渋谷)などと、FMH株の譲渡・売却に際して事前にFMHの承諾を必要とする旨の合意を結んでいることも明らかにしました。
旧村上ファンド系は、FMH株を17%超保有し、不動産事業の分離・売却や資本効率の改善を訴えて「物言う株主」として経営に強い圧力をかけてきた存在です。FMHは2月3日、発行済み株式の約34%に当たる7100万株・2350億円を上限とする自社株買いの実施を発表しました。
これを受けてレノ側は大規模買付(TOB)の計画を取り下げる一方、自社株買いに全保有株を応じることで合意。今回の取引完了後、村上氏側の議決権保有割合は大幅に縮小しており、残る持ち分についても市場売却が進むことで、FMHとの対立は実務上、収束へ向かいます。
東宝が実質筆頭株主に復権、ガバナンスは新局面へ
一連の自社株買いにより、東宝の議決権比率はこれまでの8.95%から12.78%へ上昇する見込みで、信託銀行などを除いて議決権ベースで最大の株主となる形です。フジテレビとの番組・映画制作で長年の関係を持つ東宝が実質的な筆頭株主として浮上し、メディア・コンテンツ連合としての連携強化が期待されます。
旧村上系の撤退によりアクティビストの影響力は後退し、コンテンツ事業を軸とした中長期的な成長戦略を描きやすくなるとの見方が出ています。一方で不動産事業の外部資本導入や完全売却の是非など、旧村上系が突き付けた課題は残っており、今後の中期経営計画でどこまで踏み込んだ改革案を示すかが引き続き焦点となりそうです。









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