
富士通は2026年1月29日、2026年3月期の連結純利益予想(国際会計基準)を前年比93.4%増の4250億円に上方修正すると発表しました。従来予想の3900億円から350億円増となり、2期ぶりの過去最高益を更新する見通しとなります。
デジタルトランスフォーメーション(DX)需要の拡大を背景に、主力事業であるサービスソリューション事業が好調に推移していることが要因です。同社の磯部武司副社長は「国内で進むデジタル変革やモダナイゼーション(近代化)に対する需要に応えることで、各セグメントで利益が増加した」とコメントしています。
2025年4月から12月にかけての第3四半期累計では、連結純利益が前年同期比3.9倍の3436億円に急拡大しました。売上収益は前年同期比1.8%増の2兆4511億円でしたが、調整後営業利益が67.1%増の2291億円に大幅に拡大し、営業利益率は7.3%から11.9%へ改善しています。また、10月から12月の3四半期単体では、純利益が前年同期比55.9%増の816億円に拡大するなど、足元の業績は加速度を増しています。
好調な業績を受けて、富士通は配当政策も拡大方針を打ち出しています。2026年3月期の年間配当予想を従来予想の30円から50円に大幅増額修正しました。これは前期の28円と比べ、1.8倍となり、株式分割考慮ベースで過去最高水準です。磯部副社長は「業績予想は従来予想に比べてジャンプアップしたが、来期以降もさらに拡大させていきたい」と述べており、高い配当成長の継続意思を示唆しています。
グローバルな投資環境の変化も好機に
富士通の業績上振れの背景には、売却益も寄与しています。グループ会社だった新光電気工業と富士通ゼネラルの株式売却益が純利益を押し上げました。ただし、中長期的な業績成長の牽引役はDX需要です。特にモダナイゼーション関連商談の増加と採算性の改善が進んでいる点が重要です。
同時に、富士通は一部の顧客に対して「地政学リスクなど国際情報の影響で、一部の顧客が投資の優先順位の見直しを余儀なくされている」との指摘もあります。しかし、データやAI(人工知能)関連の需要は引き続き拡大しており、これらの領域での成長期待は高まっています。通期予想についても、売上高を従来予想の3兆4500億円から3兆5300億円に上方修正し、調整後営業利益は従来予想から200億円増の3800億円を見込んでいます。
富士通が2030年に向けてビジネス変革を迅速に実施し、業績向上に注力する意思を示す一方で、グローバルな政治経済環境の変動が与える影響については継続的に注視する必要があります。いずれにせよ、国内企業のDX推進ニーズの高まりは、富士通にとって確実な成長の基盤となっていることが明らかになりました。












-300x169.jpg)