
厚生労働省は1月29日、警察庁の自殺統計に基づく2025年の自殺者数(暫定値)を公表しました。全国の自殺者数は1万9097人となり、前年の確定値から1223人減少し、1978年の統計開始以降初めて2万人を下回り過去最少を記録しました。男女別では男性が1万3117人、女性が5980人となり、いずれも前年から減少しています。
人口10万人当たりの自殺死亡率は15.4人となり、前年から1.2ポイント低下しました。厚生労働省は「中高年男性の自殺が減少しており、事業不振や負債を動機とする件数も減っている。経済動向が影響した可能性がある」と分析しています。実際、1998年に3万人を超えた自殺者数と比較すると、「経済・生活問題」を理由とする自殺が大幅に減少していることが明らかになっています。
動機別(複数計上)では、「健康問題」が1万1293人で最も多く、次いで「経済・生活問題」が5359人、「家庭問題」が4198件となっています。年代別では50代が3732人と最多を占め、次いで40代が2951人でした。全体として自殺者数は3年連続で減少しており、1998年の金融危機以降続いた深刻な状況から改善の傾向が見られます。
完全失業率との相関も指摘されており、1978年から2025年までの48年間の相関係数は0.91と高い数字を維持しています。2024年と2025年の失業率が2.5%と2019年以来の低水準であることと、自殺者数の減少傾向は整合的であると専門家は分析しています。
小中高生の自殺が2年連続で過去最多 学校問題と健康問題が主要因
全体の自殺者数が減少する一方で、小中高生の自殺者数は532人(前年比3人増)となり、統計のある1980年以降で2年連続の過去最多を更新しました。内訳は小学生が10人、中学生が170人、高校生が352人となっています。男女別では男性が255人(前年比16人増)、女性が277人(前年比13人減)でした。
小中高生の自殺は、新型コロナウイルス禍となった2020年に前年比100人増の499人へと急増し、それ以降500人前後で高止まりしている状況が続いています。2022年以降は500人を超える水準が維持されており、憂慮すべき事態となっています。
19歳以下の自殺者823人の原因・動機(1人あたり最大4つまで複数計上)を見ると、学業不振やいじめなどの「学校問題」が316件で最も多く、次いで「健康問題」が315件となっています。健康問題のうち、うつ病は126人に上っており、厚生労働省の担当者は「高校生などのうつ病をはじめとした精神疾患も増加している」と分析しています。また「家庭問題」も181件報告されています。
専門家は、SNS上で自傷や自殺に関する情報に容易にアクセスできる環境や、孤独感・孤立感の深刻化が影響している可能性を指摘しています。特に女子中高生の増加が顕著であり、医薬品過量摂取(オーバードーズ)による自殺未遂も増加していると報告されています。
こども家庭庁は2023年6月に「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を取りまとめており、ネットの検索履歴など自殺リスクが高い子どもの発見にAIを活用する仕組みを検討するなど、対策を強化する方針を示しています。具体的には、1人1台端末の活用による自殺リスクの早期把握や、都道府県等への「若者自殺危機対応チーム」の設置推進など、総合的な取組を進めています。
悩みや不安を抱えている方は、電話やSNSで相談できる窓口があります。「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」など複数の相談窓口が設けられており、厚生労働省のホームページにも案内が掲載されています。一人で抱え込まず、相談することが重要です。なお、今回公表された数値は暫定値であり、確定値は3月に公表される予定です。









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