
米国とイランは11日、戦闘終結に向けた初の直接協議をパキスタンのイスラマバードで開始しましたが、事前の調整段階から双方の主張は激しく対立しています。イラン側は交渉団を率いるガリバフ国会議長が、協議を前に米国への不信感をあらわにし、強硬な姿勢を崩していません。イランは、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の実効支配を「カード」として、米国による経済制裁の解除や凍結資産の返還を強く要求しています。
今回の対立の背景には、今月8日に合意された2週間の停戦条件を巡る認識の食い違いがあります。イラン側は、レバノンでの攻撃停止やウラン濃縮の容認など10項目の条件を米国が受け入れたと主張していますが、米国側はこれらを合意の対象外とする立場をとり、足並みは乱れたままです。
特にイランは、米国内の物価上昇(CPI)に伴うガソリン高がトランプ大統領にとってのアキレス腱になると見ており、海峡封鎖を「人質」にした持久戦を示唆しています。これに対し、トランプ氏はイランの核保有を断固阻止する構えを見せており、「合意できなければ再攻撃する」と威嚇を強めています。米海軍のミサイル駆逐艦が11日にホルムズ海峡を通過するなど、軍事的なプレッシャーも並行して行われており、事態は一触即発の様相を呈しています。
また、中国がイランへ新たな防空システムを供給する準備を進めているとの報道もあり、背後の国際情勢も複雑化しています。仲介役のパキスタンのシャリフ首相は「成否を分ける局面だ」と強い危機感を表明しており、4月22日に設定された協議期限までに双方がどこまで歩み寄れるかが、世界経済の安定を左右する極めて重要な焦点となっています。
イスラエルとレバノンの動向、3カ国会合が協議の行方を左右
協議の進展をさらに困難にしているのが、イスラエルによる軍事行動の継続です。トランプ大統領は、親イラン武装組織ヒズボラを攻撃するイスラエルに対して自制を求めていますが、イスラエル側は米イラン協議の直前にも攻撃を強化したと伝えられています。こうした状況を受け、レバノン大統領府は14日にワシントンでイスラエル、米国との3カ国会合を開くと発表しました。
この3カ国会合では、米国の仲介によるヒズボラとイスラエルの停戦が主眼となりますが、イスラマバードで行われている米イラン直接協議の進捗が、この会合の結果に大きな影響を及ぼすのは避けられません。イラン側はレバノンでの停戦を協議開始の前提条件の一つとして掲げており、中東地域全体の安定に向けたパズルは、複雑に絡み合ったまま解明の糸口が見えていません。
ネット上では、この緊迫した状況に対し、「ガソリン代がこれ以上上がるのは勘弁してほしい」「トランプ氏の強気な交渉術がイランに通用するのか疑問」「ホルムズ海峡が封鎖されれば日本への影響も甚大だ」といった、エネルギー価格の高騰や地政学リスクを懸念する声が多く寄せられています。












-300x169.jpg)