3月の消費者心理、コロナ禍以来の大幅悪化 原油高と中東情勢を警戒

3月の消費者心理、コロナ禍以来の大幅悪化 原油高と中東情勢を警戒

内閣府が9日に発表した2026年3月の消費動向調査によると、今後半年間の消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上世帯、季節調整値)は33.3となり、前月から6.4ポイント低下しました。 低下は3カ月ぶりで、指数水準は米国の高関税政策への不安が高まった2025年5月以来の低さとなっています。 下落幅は新型コロナウイルス禍が直撃した2020年4月以来の大きさで、家計の先行き不安が一段と高まった形です。

指数を構成する4項目はいずれも悪化し、「暮らし向き」は前月比9.8ポイント低下、「耐久消費財の買い時判断」は7.7ポイント低下、「雇用環境」は5.7ポイント低下、「収入の増え方」は2.5ポイント低下と、幅広い項目で慎重姿勢が強まりました。 調査は3月6~23日にかけて実施され、中東地域の紛争激化を受けた原油価格の高騰や、米国とイスラエルによる2月末のイラン攻撃後の緊張の高まりが家計心理に影響したとみられます。 世界的な原油高を背景にガソリン価格や光熱費の先行き負担感が増しており、国内でも物価高の長期化懸念が再燃しています。

内閣府は基調判断を、2月までの「改善に向けた動きがみられる」から「弱含んでいる」へと11カ月ぶりに下方修正しました。 2月調査までは消費者心理の改善が続いていましたが、3月は一転して大幅な悪化に転じており、担当者は「中東情勢の緊迫と原油高が重なり、先行きに対する警戒感が強まった」との見方を示しています。 足元では賃上げや春闘の動向も注目されていますが、家計の物価観や実質所得の見通しが改善しなければ、個人消費の持ち直しが遅れる可能性も指摘されています。

物価上昇見通しは9割超が「上昇」 5%以上を見込む声も半数超に

同調査では、1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた世帯が93.1%と前月から7.5ポイント増え、物価高を予想する回答が再び9割を超えました。 特に「5%以上上昇する」と見込む回答は53.4%と、前月から16.9ポイント増加しており、原油価格の高騰や中東紛争の長期化懸念がインフレ予想を押し上げた格好です。 イラン情勢を受けた国際原油価格の急騰が続いており、日本でもガソリンや電気料金などエネルギー関連価格を通じて家計負担が一段と増すとの不安が広がっています。

消費者態度指数の急低下は、実質賃金の伸び悩みが続くなかで物価高への警戒感が再強化されていることを浮き彫りにしています。 2月まで2カ月連続で改善していた消費者心理が、3月にコロナ禍以来の大幅悪化となったことで、個人消費を巡る先行きには下押し圧力が意識されつつあります。 政府内では今後の補助金や物価対策の継続・拡充の必要性を巡る議論も続いており、春以降の賃上げの浸透と物価動向が家計心理の持ち直しに結び付くかが焦点となります。

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