
衆院選と同日実施された出直し大阪府知事選で3選を確実にした日本維新の会代表の吉村洋文前知事が、任期満了となる来年春までに「大阪都構想」を巡る3度目の住民投票を実施する方針を改めて示しました。 2月8日夜に大阪市内のホテルで行った記者会見で、吉村氏は公約に掲げた住民投票について「(来年春までの)任期において目指すことは変わらない」と述べ、出直し選の結果を都構想再挑戦への「一定の信任」と位置づけました。 会見には、大阪市長選で当選を確実にした横山英幸前市長(日本維新の会副代表)も同席し、府市トップがそろって3度目の挑戦に向けた姿勢を示しました。
大阪都構想は、大阪市を廃止し複数の特別区に再編することで、大阪府と大阪市のいわゆる二重行政を解消しようとする大都市制度改革です。 大阪維新の会が結党以来の看板政策として掲げてきた一方で、2015年と2020年の2度にわたり住民投票で僅差の反対多数により否決されており、構想は一度「幕引き」とも評されていました。 それでも今回の出直しダブル選で吉村氏と横山市長がともに再選を果たしたことで、維新は都構想を再び前面に押し出す政治判断を下した形です。
ただ、今回の選挙戦では、自民、公明、立憲民主など他の主要政党が府知事選・市長選ともに独自候補の擁立を見送りました。 公明党大阪府本部の石川博崇参院議員は、出直しダブル選について「大義なき選挙だ」と批判し、「なぜこのタイミングで選挙をしなければいけなかったのか全く理解できない」と疑問を呈しています。 実際、知事選と市長選では無効票が前回から大幅に増加しており、争点や選挙の意義が有権者に十分伝わったのかをめぐっても議論を呼んでいます。
会見で「都構想について民意を得たと言えるか」と問われた吉村氏は、「挑戦することに一定の信任を得たと思っている」と述べつつも、「選挙戦で都構想そのものの是非が問われたわけではない」とも言及しました。 その上で「まずは設計図づくりが非常に大切だ」と強調し、「府市の議会の理解を得られるよう丁寧に進める」と、制度設計プロセスを重視する姿勢を示しました。 任期途中での辞職とトリプル選に踏み切った政治手法への賛否が割れる中で、吉村氏としては「拙速な住民投票ありき」との批判をかわしながら、第三の住民投票への道筋を描こうとしています。
法定協議会設置と議会対応、曲折必至の制度設計
3度目の住民投票を実現するには、まず大阪府と大阪市が「大阪都構想」の具体的な制度案を協議する法定協議会を立ち上げる必要があります。 吉村氏は、法定協議会について「議会の皆さんの賛同がないと立ち上げられない」とした上で、「できる限り議会の皆さんの理解を得られるよう努め、できるだけ早期に立ち上げたい」と語り、合意形成に向けた働きかけを強める考えを示しました。
しかし、他党は法定協議会の設置そのものに否定的な見解を相次いで表明しており、府議会・市議会での議論は難航が予想されています。 2015年、2020年の住民投票までの過程でも、制度案の協議や議会手続きは曲折を重ね、公明党の態度変更など政治力学の変化が大きなカギとなってきました。 今回も、与野党の思惑や衆院選後の国政の構図が大阪の議会力学に影響する可能性があり、3度目の制度案づくりがスムーズに進むかは不透明です。
吉村氏は記者会見で、住民投票の具体的な実施時期について「その先の話で、この段階で『いつ』ということではない」と述べ、日程を明示することは避けました。 一方で、来年春までの任期内に実施する目標は改めて維持しており、設計図づくりと議会手続き、住民への丁寧な説明をどこまで並行して進められるかが問われます。 2度の否決を経てなお維新が都構想に固執することへの市民の評価、そして「3度目の正直」となるのか、それとも再び「ノー」が突き付けられるのか――大阪の都市制度をめぐる攻防は、新たな段階に入りつつあります。










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