ZOZO創業者の前澤友作氏が、SNS上で自身になりすました詐欺広告が掲載されたとして、米IT大手のMetaを相手取り、損害賠償と広告の掲載差し止めを求める訴訟を起こしました。7月9日、東京地裁で第1回口頭弁論が開かれました。
訴状によると、2023年6月頃から、MetaのInstagramやFacebook上に、前澤友作氏の名前や写真が無断で使用された詐欺広告が掲載されていたとのことです。前澤友作氏は、これによってパブリシティー権や肖像権が侵害されたと主張しています。
前澤友作氏側は、Metaには広告を審査し、問題があれば削除する義務があったにもかかわらず、それを怠ってなりすまし広告を掲載し続けたと訴えています。一方、Meta側は請求棄却を求め、争う姿勢を示しました。
前澤友作氏は象徴的な1円の損害賠償と、広告の掲載差し止めを求めています。代理人の照井勝弁護士は、「詐欺被害に遭った人のため、できるだけ早く判断を示してほしい」とコメントしました。
SNSを舞台にした新たな法的争いとして、今後の裁判の行方が注目されます。判決が下れば、SNS上の詐欺広告に対する企業の責任の範囲が明確になるかもしれません。
経済産業省がGoogle、LINEヤフー、Metaに聞き取り調査を実施
経済産業省は6月28日、SNS等で拡散する「なりすまし型偽広告」への対策について、Google、LINEヤフー、Metaの3社に聞き取り調査を行い、その結果を公表しました。
近年、著名人や有名企業になりすまし、投資セミナー等を勧誘する偽広告が横行し、SNS型投資詐欺の被害が急増しています。経済産業省は、デジタルプラットフォーム取引透明化法に基づき、正当な広告主の被害防止の観点から、各社の取り組みを評価しました。
評価の結果、各社とも広告主の本人確認の仕組みは整備しているものの、そのタイミングや対象範囲に違いがあることが判明。特にMetaは、追加の本人確認を求める広告主の範囲が限定的であると指摘されました。
また、広告審査については、各社とも当初出稿時や内容変更時の審査、審査手法のアップデートに取り組んでいるものの、日本語・日本文化上の文脈を踏まえた判断体制において、Metaの対応が不十分であることが示唆されました。
経済産業省は今後、モニタリング会合での意見とりまとめを踏まえ、各社に対する改善要請を行う予定です。SNSを舞台とした新たな詐欺の手口に対し、官民一体となった対策の強化が求められています。