
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を受け、安全資産とされる金の国内価格が急騰しています。 国内の指標となる田中貴金属工業の店頭小売価格は、2日午前9時30分現在で1グラムあたり2万9865円となり、心理的な節目である3万円台に迫る水準となりました。 先週金曜日の同じ時間に発表された価格と比べると1131円の上昇で、1日としては異例の値上がり幅です。 中東情勢の緊迫化により、投資家がリスク資産から金などの安全資産へと資金を移す「有事の金」への動きが一気に強まったとみられます。
今回の金価格急騰のきっかけとなったのは、日本時間2月28日にアメリカとイスラエルがイランへの攻撃を実施したと発表したことです。 日本の大手メディアは、イランも反撃に動いているとして、今後の情勢悪化への懸念を伝えています。 中東は原油供給の要衝であり、軍事的緊張が高まるとエネルギー価格の上昇懸念が広がるため、世界の金融市場は一斉にリスク回避姿勢を強める傾向があります。 こうしたなかで、現物資産の代表格である金への需要が膨らみ、国内小売価格にも直ちに反映された格好です。
田中貴金属工業の金価格は、1グラム2万6000円台まで急落した2月上旬から一転して上昇基調を強めており、足元では1カ月足らずで3000円以上値を戻した計算になります。 2月5日には同社の店頭小売価格が1グラム2万6527円となり、急落を受けて一時売買中断措置が取られていましたが、その後は米金融政策観測や為替動向に加え、地政学的リスクの高まりが重なり、乱高下を伴いながらも高値圏での推移が続いています。 3月2日時点の急騰で、1月に付けた史上最高値水準に再び接近しているとの指摘も出ています。
中東情勢長期化なら高値圏が続く可能性も
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、イランの核開発抑止や体制への圧力強化が狙いとされていますが、国際社会からは事態の拡大と長期化を懸念する声が上がっています。 中東情勢が短期間で沈静化する場合には、足元の金価格の急騰が一定の反動安を招く可能性も指摘されていますが、対立が長期化したり周辺国へ波及したりした場合には、高値圏での推移や一段高もあり得ると市場関係者は見ています。
金価格の急騰は、個人の資産形成やジュエリー需要にも影響を与えています。大手小売店では、高値警戒感から買い控えの動きが出る一方、「有事の金」を意識した少額の積み立て購入や、将来のインフレリスクに備えた分散投資としての相談が増えているといいます。
一方で、為替相場の円安傾向も国内の金価格を押し上げる要因となっており、国際情勢と金融政策、為替の三つどもえの動きが、今後も家計や投資行動に影響を与え続ける可能性があります。 市場では、中東情勢の推移と合わせて、各国の中央銀行の金保有動向や、国内外の投資マネーの流れにも注目が集まっています。
-150x112.png)



-150x112.png)







-300x169.jpg)