
日本維新の会の石井章参議院議員(68)は29日、勤務実態のない人物を公設秘書として届け出て、国から支給される秘書給与約800万円を不正に受け取った疑いで東京地検特捜部の家宅捜索を受けたことを受け、議員辞職の意向を表明しました。これを受けて同党は29日、石井議員を除名処分としました。
東京地検特捜部は27日、石井議員の議員会館事務所や茨城県取手市の地元事務所などを詐欺容疑で家宅捜索しました。関係者によると、石井議員は複数の人物の名義で公設秘書として届け出ており、その中には親族も含まれていたことが判明しています。特に、石井議員が理事長を務める社会福祉法人の関係者を公設秘書として届け出ていた疑いも浮上しています。
不正受給の総額は少なくとも約800万円にのぼるとみられ、このような不正は数年間にわたって常態化していた疑いがあります。特捜部は元秘書らから事情を聴取するなどして実態解明を進めています。
石井議員は29日午後5時過ぎにコメントを発表し、「私に対しての捜査が行われている状況であるため、議員の職を辞し、捜査に対して全面的に協力をさせていただくべきと判断しました」と述べ、議員辞職の意向を明らかにしました。
日本維新の会の中司宏幹事長は29日、国会内で記者会見を開き、石井議員を除名処分としたことを発表しました。中司幹事長は持ち回りの常任幹事会で除名を決定したと説明し、「所属議員がこのような事態を引き起こし、改めてお詫び申し上げます。二度とこのようなことが起きないよう綱紀の粛正に努めます」と謝罪しました。
政治不信深める維新の「身を切る改革」看板に傷
日本維新の会は「身を切る改革」を掲げ、企業・団体献金の禁止を主張し、国会議員に月100万円支給される「調査研究広報滞在費」を「第2の給料」と批判してクリーンさを看板にしてきた政党だけに、今回の事件は大きな打撃となりました。
同党の吉村洋文代表(大阪府知事)は28日、「有権者の皆様にお詫び申し上げる。あってはならないことで、決して許されない」と陳謝し、「政治とカネの問題に厳しく、身を切る改革で律してきた。事実だとすれば除名で、議員辞職すべきだ」と語りました。
石井議員は維新の国会議員団両院議員総会長などを務めたベテランで、党内では選挙指南役として若い候補や議員に頼りにされ、「石井グループ」とも呼ばれる一定の影響力を持っていました。このため、今回の事件は党の信頼失墜に直結する深刻な問題となっています。
公設秘書の給与詐取事件は2000年代前半に相次ぎ、2000年には民主党の山本譲司議員が、2003年には社民党の辻元清美議員が逮捕されるなど社会問題となりました。これを受けて2004年に国会議員秘書給与法が改正され、議員の配偶者の採用禁止や秘書への直接給与支給などの対策が講じられました。
しかし法改正後も同様の事件は根絶されず、昨年8月には自民党の広瀬めぐみ元参院議員が約360万円をだまし取ったとして詐欺罪で在宅起訴され、今年3月に有罪判決が確定しています。石井議員の事件は、法改正から20年が経過しても政治家による税金の不正使用が続いている現実を浮き彫りにしました。












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