米ブリンケン国務長官が中国・北京に到着 米中外相会談に注目集まる
米国のブリンケン国務長官が18日午前に北京に到着し、中国の秦剛外相と重要な会談に臨む予定です。この会談では、米中関係や台湾、ウクライナ情勢など、多岐にわたる話題について意見が交わされるとみられ、両国関係の悪化に対する歯止めとなる可能性を秘めています。
バイデン政権下での初訪問となる米国のブリンケン国務長官は2日間の滞在を計画しており、その具体的な日程については明らかではありませんが、18日午後に会談が開始される見通しです。
中国が台湾周辺などで軍事活動を活発化させている状況を受け、米中間の連絡ルートの確立と対話を活性化させ、意図しない出来事が衝突に発展することを防ぎたいとのこと。
一方で中国は、米国が「1つの中国」政策は変わらないと言いながら、台湾への関与を強めていることに対して神経をとがらせています。台湾問題については、中国は「台湾に関して一歩も譲らない」という姿勢を直接伝える可能性が高いとみられています。
当初は今年2月に予定されていたブリンケン国務長官の訪問ですが、中国の気球が米国上空を飛行した問題により、その計画は延期されました。米国のブリンケン国務長官は、王毅政治局委員との会談や習近平国家主席との会談に向けた調整も行っているとのことで、この一連の会談が両国関係の悪化にブレーキをかけるか否かが注目されています。
米中関係の歴史|今回の会談がどう影響するのか
過去から現在に至る米中関係は、力の均衡と共存を求めつつ、多くの課題を抱えています。そのなかで、ブリンケン国務長官の最近の中国訪問は、両国関係の一歩前進を意味しているとも受け取れます。
その歴史的背景をみると、冷戦期以降の米中関係は緊張と緩和を繰り返してきました。これは、両国間の覇権争いとイデオロギーの対立が背景にあったためです。米国は資本主義と民主主義を推進し、中国は社会主義を掲げ、各々の体制を保持しようとしました。
世界経済の二大巨頭としての地位を築き上げ、両国間の関係は経済的なつながりを深めていきましたが、貿易不均衡や人権問題、テクノロジー戦争などの新たな問題が生じ、これらの問題は両国間の関係を複雑化させ、新たな緊張を生み出す要素となっています。
現在は、台湾問題や貿易不均衡など、数々の課題に直面しています。それに対し、ブリンケン国務長官の訪問はこれらの課題を解決へ向けた対話の場を提供する一方で、新たな対話の機会を模索しています。