韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は21日、大統領府の会議で「日本はすでに数十回にわたり、私たちに歴史問題について反省と謝罪を表明している」と述べ、反日を政治に利用しないよう呼びかけました。
この閣議では、元徴用工問題などの歴史問題に対する自らの立場を表明した上で、約20分にわたって日韓関係について発言しています。また、国民に向けて「これからは日本に堂々と自信を持って接していかなければならない」と訴えかけました。
16日に行われた日韓首脳会談では、日本から謝罪表明がなかったと国内で反発がある点を意識して「韓国社会には排他的民族主義と反日を叫びながら政治的利益を取ろうとする勢力が厳然と存在する」と指摘。そのほか、尹錫悦大統領は以下のような発言をしています。
- 日本はすでに歴史問題で謝罪をしている
- 元徴用工問題の解決策は日韓請求権協定と最高裁判決の折衷案
- 日韓は戦後のドイツとフランスのように和解を
- 障害物は韓国が先行して排除し、日本の呼応を期待する
- 北朝鮮のミサイルや核に関して完璧に情報を共有する
参照:韓国大統領「日本すでに数十回謝罪」 反日利用に反論|日本経済新聞
なお、韓国では16日の日韓首脳会談を「亡国外交」と批判する声もあがっています。野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、尹錫悦大統領の姿勢について「屈辱的」と発言し、反日運動を18日に行っています。
菅前首相「日韓関係飛躍に役割を果たしたい」
菅義偉前首相らは17日、韓国の尹錫悦大統領と東京都内のホテルで会談しました。日韓関係の正常化に合意した16日の首脳会談について「高く評価する」と発言。
また、超党派の日韓議員連盟の新たな会長に菅前首相が就任しました。会見では、「日韓関係を大いに飛躍させるべく役割を果たしたい」とコメントしています。
続けて、韓国の尹錫悦大統領が今月来日したことについて、「日韓関係の正常化にとって大きな一歩になる」と発言し、その上で北朝鮮や中国の問題解決に対して「日韓や日米韓の戦略的連携を強化することが不可欠だ」と指摘しています。
菅会長は議連のメンバーとともに早期に韓国を訪問したいとの考えで、韓国側と日程を調整していく予定です。
この件についてネット上では、「なぜこのような決着を評価できるのか」「飛躍的って断交法一本でしょ」「菅義偉は芯があると思ってた」など、批判的な意見が寄せられています。