外国人の生活保護、マイナンバー活用で運用適正化へ 政府が見直しを本格的に検討

外国人の生活保護、マイナンバー活用で運用適正化へ 政府が見直しを本格的に検討

政府は1月23日「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」で決定した総合的対応策において、外国人の生活保護制度の運用適正化を掲げました。自治体と協力し、マイナンバー等を活用した情報連携で受給する外国人の在留資格を確認できる仕組みの構築を進める方針です。

生活保護法は、適用対象を日本国民と定めています。ただし、外国人については人道上の観点から、永住者や定住者など一定の在留資格がある人や難民認定された場合は、自治体による「行政措置」の対象としてきました。2023年度の受給世帯は165万478世帯で、このうち世帯主が外国人のケースは2.9%に当たる4万7317世帯となっています。

従来、生活保護制度では、在留資格別の受給状況などの情報が十分に把握できていませんでした。政府は今後、マイナンバーを活用した情報連携や外国人の適正な制度利用に向けた入管行政との連携を目指す方針です。

2027年3月以降、出入国在留管理庁が国民健康保険料や国民年金保険料の納付情報、地方税の課税情報などを関係機関から取得できる体制を整備します。同時に、出入国在留管理庁が関係機関に対して、国籍、在留資格情報、出入国関連情報などを提供できる仕組みも構築する予定です。

今回の総合的対応策では、生活保護だけでなく、外国人に関わる税・社会保障・医療制度全体の適正化が盛り込まれています。国民健康保険料の収納対策や保険適用の在り方、医療費不払への対応なども強化する方針です。

また、2026年6月からは、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用を開始します。政府は普及促進に向けた積極的な施策を実施し、運用状況を踏まえて、全ての在留外国人が原則として特定在留カードを取得するための方策を検討していきます。

在留外国人の増加が背景

政府が今回の運用適正化に乗り出した背景にあるのは、在留外国人の急増です。2025年6月末時点での在留外国人は過去最高の約396万人に達しており、今後も増加する見込みです。

総合的対応策では、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の不安や不公平感に対処する必要性が示されました。外国人も社会の一員として責任ある行動をとり、国民・外国人の双方が安全で安心して生活できる社会の実現を目指すとしています。

また、「永住者」の在り方についても見直しが進められています。政府は永住許可の要件を明確にし、永住者の在留資格に関する取消事由も含めた法改正を実施しました。永住許可基準については、独立生計要件や国益要件に関する見直しのほか、日本語や日本の制度・ルール等を学習するプログラムの受講を条件とすることなども検討されています。

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