
2019年11月、群馬県の著名な温泉地、草津町が世界的な注目を浴びる出来事がありました。そのきっかけは、元町議が町長との性的関係を告発した内容を含む電子書籍『草津温泉 漆黒の闇5』の出版でした。
この告発は後に虚偽であることが明らかになり、現在も刑事・民事裁判が進行中です。元町議の新井祥子氏は性被害を町議会で訴えましたが、その後解職に至るまでの経緯は国内外からの批判を集めました。特に、性暴力の告発者への対応が「セカンドレイプ」として問題視されています。
町長の黒岩信忠氏は告発を一貫して否定し、新井祥子氏と電子書籍の作者に対して名誉毀損罪で告訴しました。2023年2月に始まった飯塚玲児被告(電子書籍の作者)の刑事裁判では、2024年1月22日に懲役1年、執行猶予3年の判決が下されています。
ネット上では、「こういう事があるから本当に被害にあった方が困る」「虚言に対してどう対処するべきか」「冤罪で虚言癖女の言葉で人生狂わされてる人も大勢いることを知ってほしい」などの意見がみられました。
新井氏を支援していた「一般社団法人Spring」が謝罪と訂正
群馬県草津町で起きた性被害の虚偽告発騒動において、元町議である新井祥子氏が、黒岩信忠町長から性被害を受けたとの告発が虚偽であったことを民事裁判中に認めています。新井祥子氏を支援していた性被害の当事者団体「一般社団法人Spring」は、12月5日に支援撤回と共に謝罪を公表しました。
団体は以前、「レイプの町草津」などとSNSで発信していましたが、これを「行き過ぎた表現」とし、草津町長や草津町の関係者に対して謝罪しました。新井祥子氏の虚偽の訴えに連帯の意思を示していたことも撤回し、草津町に対する誤った表現についても謝罪しています。
「性暴力の虚偽の訴えは、名指しされた方の人生を大きく狂わせる人権侵害であり、そのような人権侵害行為を行った元町議の女性に、当団体が連帯の意思を表明したことについて、ここに撤回し、ご迷惑をおかけした皆様に、お詫び申し上げます」と謝罪した上で、「草津町に住まわれる方だけでなく関係する多くの方を傷つける表現であった」と発言しました。
この一連の事件は、性犯罪の虚偽告発が被告に与える影響の重大さを浮き彫りにし、法的な対応だけでなく社会的な支援のあり方についても見直す契機となっています。