改正要綱案で「キラキラネーム」に一定の制約 「一般に認められているものに限る」

法制審議会の部会は2日、戸籍法の改正要綱案をまとめました。漢字本来の読み方と異なる「キラキラネーム」をどこまで許容するのかが注目されていましたが、反社会的・差別的となる読み方に一定の制約を設けることになりました。近く法制審総会で最終協議し、2024年度の施行を目指しているとのことです。

今回の要綱案では、戸籍に記載する読み仮名をカタカナで表記すると規定され、氏名の読み仮名は「一般に認められているものに限る」というルールが明記されました。しかし、この「一般に認められる」とは一体どこまでを指すのでしょうか?

そのことについて、同省は「漢字の読み方が社会で受け入れられ、慣用的に使われていることや、常用漢字表や漢和辞典に掲載されていることが基準」とすることを発表。さらに「辞書に掲載されていなくても、届け出人に説明を求めた上で一般に認められていると言えるかどうかを判断することもある」と続けています。

「一般に認められていない」読み仮名と「認められる可能性が高い」読み仮名

「一般に認められる・認められない」の基準が示されましたが、具体例がないとイメージしづらい方もいるでしょう。双方の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

【「一般に認められていない」読み仮名の例】

  • 高(ヒクシ):漢字の意味と反対の読み方
  • 鈴木(サトウ):別人と誤解される読み方
  • 太郎(マイケル):漢字の意味や読み方から連想できない読み方
  • 太郎(ジロウ):読み違いかはっきりしない読み方

【「認められる可能性が高い」読み仮名の例】

  • 騎士(ナイト):漢字と外国語の意味が関連付けられる読み方
  • 星(ヒカル):漢字の意味から連想されるような読み方
  • 朝(トモ):慣例で人名として定着している読み方

なお、これまで「光宙(ピカチュウ)」は漢字との関連性があるとされ、読み仮名として認められる可能性がありました。しかし、今回の要綱案では「人の名前としては違和感のあるキャラクターの名前」に該当し、認められない可能性が高まります。

脳科学者の茂木健一郎氏(60)は要綱案に否定的

茂木健一郎氏は3日、戸籍法改正の要綱案に対し、自身のTwitterで「上から押し付けで余計なお世話」と否定的な意見を発信しました。

また、「そもそも、『漢字』はもともと外国語である中国語由来で、音読みは別として、訓読みはやまとことばの近い意味をひっぱってきてよみがなを振った先人の智慧である」と発言。それに続けて、「その創造性ゆえに日本語は豊かになっているが、『よみがな』が元々はむちゃぶりである本質は変わらない」と指摘しました。

このツイートに対して、「だからといって既存の漢字の読み方を何でもいいに変えたらどうなりますか?」といった批判コメントが一部寄せられています。

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