
13日、ドナルド・トランプ前大統領が選挙集会の演説中に銃撃され、右耳に怪我を負いました。集会参加者1人が死亡、2人が大怪我をする事態となりました。
連邦捜査局(FBI)は、現場で射殺された男性をトーマス・クルックス容疑者(20)と特定し、ドナルド・トランプ氏への暗殺未遂事件として捜査を進めています。米国のABCテレビによると、FBIは現時点で事件をトーマス・クルックス容疑者による単独犯行とみているとのことです。
この事件を受け、ジョー・バイデン大統領は15日午前、ホワイトハウスで国民に向けて演説を行いました。ジョー・バイデン大統領は「アメリカでは意見の違いは投票によって解決する。銃弾ではない」と事件を強く非難しています。
さらに、政治的な対立が先鋭化する中、「政治的なレトリックは熱を帯びているが、冷ますときだ」と国民に冷静な対応と結束を呼びかけました。一方で、銃撃犯の動機や背景については現時点で不明だと述べ、捜査当局が調べていることを明らかにしました。
選挙チームによると、ドナルド・トランプ氏の容態は良好で、大きな怪我はないとのことです。ネット上では、「場を去る前のトランプ氏の振る舞いは、国のリーダーを目指す人として流石に相応しかったと素直に感嘆しました」「この強運とその後の強心臓、恐れ入ります」「海外と日本との差が出ましたね」などの意見が寄せられています。
トーマス・クルックス容疑者の車や自宅から爆発物の材料を発見
ドナルド・トランプ氏銃撃事件の容疑者、トーマス・クルックス氏の素性が明らかになってきました。欧米メディアによると、トーマス・クルックス容疑者は学生時代にいじめられていたとのことです。
また、AP通信は捜査関係者の話として、容疑者の車や自宅から爆発物の材料が見つかったと伝えています。使用された銃は、容疑者の父親が合法的に購入したAR15ライフル銃だったと報じています。
ドナルド・トランプ氏は共和党全国党大会に出席するため、14日にウィスコンシン州ミルウォーキーに到着しました。専用機のタラップを下りる際、右手の拳を力強く振り上げる姿が印象的でした。
党大会が開幕する15日に向けて、ミルウォーキー市内は厳戒態勢に入っています。会場周辺は関係者以外立ち入り禁止で、手荷物検査と金属探知機のチェックが欠かせません。
現地で取材に応じたトランプ支持者の女性は、「トランプ氏はファイターだ。彼が銃撃されたあと、立ち上がり拳を振り上げて戦うよう呼びかけるのを、私たちは見た」と語っています。