
英国の電力小売最大手オクトパスエナジーが、日本の都市ガス大手と戦略的連携を進め、日本市場での販売網を急拡大させています。同社が30%を出資する新電力「TGオクトパスエナジー」は、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスといった都市ガス大手4社と提携し、家庭向けで最大約6%安い水準の電気料金とガスとのセット販売による利便性を訴求します。
オクトパスエナジーは2023年に英シェル子会社シェル・エナジーの家庭向け電力・ガス小売事業を買収し、2026年1月には英国での電力・ガス販売で首位となりました。同社の最大の強みは、人工知能(AI)を活用した「Kraken(クラーケン)」と呼ばれる独自の顧客管理プラットフォームです。このシステムにより、料金プランの開発や顧客管理などを効率的に処理でき、顧客管理の人件費などを減らして電気料金を割安に設定できます。また、電気使用量や時間帯に応じた最適なプランを提案することで、顧客離れも防いでいます。
東京ガス、大阪ガスとの連携では、セット販売契約の手続きのほか、請求書の作成・送付など顧客対応も引き受けます。東邦ガス、西部ガスとの提携では契約の手続きを担当します。東京ガスと東邦ガスとはすでに連携を始めており、大阪ガスとは2026年中に、西部ガスとは2027年春をめどに連携を開始する予定です。TGオクトパスエナジーには東京ガスも70%を出資しており、東京ガスは単独で新電力を抱えながらも、TGオクトパスの販売ルートも活用して収益を拡大する戦略です。
オクトパスエナジーは2021年の日本参入後、家庭向けの販売量を着実に伸ばしてきました。2025年10月の家庭向け電力販売量では新電力上位15社のなかで唯一の外資系となり、前年同月比の伸び率では1位を記録しました。2025年12月には顧客数が50万件を突破し、2022年から2024年にかけて1,137%の成長率を達成しています。
外資系新電力として初めて日本市場で存在感を確立
電力事業は外国為替法による外資規制が厳しい分野ですが、発電や送配電と比べて小売りでは事前届け出での審査が緩やかなケースも多く、外資が参入しやすいとされています。電力自由化以降、米国系のファミリーエナジーやアンビット・エナジー・ジャパンなどが日本で家庭向け販売を手掛けましたが、ロシアによるウクライナ侵略に伴う燃料費高騰や卸電力市場の急騰を受けて撤退しました。これまで国内電力小売りで外資による新電力は存在感を出せてきませんでした。
新電力は発電設備を持たないことが多く、卸電力市場の取引価格に業績が大きく左右されます。しかし、オクトパスエナジーは協業関係にある東京ガスから電力を調達するほか、再生可能エネルギー発電事業者から直接調達しており、卸電力市場からの調達は東京ガスを通じた一部にとどめています。中長期で価格を安定させて調達する体制を整えてきたことが、生き残りの鍵となりました。
日本の電力小売りの全面自由化から2026年で10年を迎えます。これまで大手電力・ガス会社が優位性を保ってきましたが、英国発の「黒船」が販売網を広げることで、消費者の選択肢は増えることになります。価格競争による光熱費負担の軽減につながる可能性があり、今後の展開が注目されます。









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