SBI北尾社長、AI活用で採用大幅削減を命令 金融界で人員再編加速

SBI北尾社長、AI活用で採用大幅削減を命令 金融界で人員再編加速

SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝会長兼社長は3日、都内で開催されたイベントに登壇し、人工知能(AI)の活用により、採用を大幅に抑制する方針を明らかにしました。「今度の採用から大幅に減らすことを絶対命令とする」と明言しています。金融界では、AI導入による人員最適化の動きが本格化しています。

講演の舞台は、東京都千代田区丸の内の丸ビルを会場に3日から6日まで開催される「FIN/SUM(フィンサム)2026」。日本経済新聞社と金融庁が主催するグローバルカンファレンスです。

北尾氏は生成AIの登場を「革命」と位置づけ、今後5年以内に今世紀最大級の社会変革が起きるとの認識を示したうえで、グループの意思決定や業務プロセスをAI中心に再設計する方針を表明しました。

融資や資産運用といった金融業務を「完全にAIエージェント化する」とも明言。顧客向けの金融AIエージェントの開発も発表し、金融知識のない初心者でも資産形成を容易にできるようにするといいます。さらにAIとブロックチェーン技術の組み合わせによる競争優位の確立を掲げ、「金融システムを完全にオンチェーン化していく」との構想も示しました。

みずほフィナンシャルグループ(FG)は今後10年間で全国に約1万5000人いる事務職員のうち最大5000人減らす方針を固めました。全体の3分の1に相当する規模で、書類確認などの業務をAIで代替する計画です。

解雇はせず、営業部門などへの配置転換を進め、リスキリング(学び直し)の支援も行うとしています。みずほFGは2025年度までの10年間で事務職員を約1万人削減しており、今回はその第2波にあたります。26〜28年度の3年間でAIの開発・導入に最大1000億円を投資する計画も打ち出しており、業界の変革を主導する姿勢です。

金融大手の人材戦略 対照的なAIシフトと反応

金融業界全体では、AIの進化が雇用構造を変革しつつあります。SBIグループのように新卒採用を抑制する動きは、AI活用人材の育成を優先する流れの表れといえるでしょう。一方、みずほFGは解雇ゼロを前提に配置転換とリスキリングで対応しており、同じAI時代でも各社のアプローチはさまざまです。

北尾氏の発言に対し、ネット上では「現実的な判断」「優秀でないと厳しい時代」との意見がみられました。みずほFGの事務職5000人削減も注目を集め、AI活用の経済効果と雇用への影響が議論されています。SBIグループは金融業務のAI完全代替を進め、競争力強化を目指す構えです。金融界の変革は加速しており、労働市場全体の行方が注目されます。

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