
フジ・メディア・ホールディングスは2026年2月3日、旧村上ファンド系投資会社レノなどから大規模株式買付けの取り下げ通知を受領したことを発表しました。同社はこれに先立ち、サンケイビルなどで構成する都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始を決定しており、旧村上ファンド側が保有する自社株を買い戻すことで合意しています。
レノ側は2025年12月、議決権比率を最大33.3%とするため2500万株を上限に株式を買い増す計画をフジ・メディアHDに通知していました。同社株は2025年9月時点で17%超を保有していましたが、今回フジ・メディアHDが不動産事業のスピンオフや完全売却に向けた具体的な動きを示したことで、買い付け方針を撤回しました。
フジ・メディアHDは発行済み株式の34.37%に当たる7100万株・2350億円を上限とする自社株買いを決議し、取得期間は2026年2月4日から3月31日までとなっています。都市開発・観光事業については完全な売却も排除せず、外部資本導入で得られる資金や財務余力はROE(自己資本利益率)目標の早期達成に向けた配当や自社株取得などの株主還元の強化、メディア・コンテンツ事業への成長投資に充てる方針です。2025年3月期の同事業の売上高は1409億円、資産は6131億円でした。
清水賢治社長は2月3日の記者会見で、旧村上ファンド側との対話について「企業価値の向上策を(株主と会社の)どちらの視点で見るのかというところが立場の違いだった。その中でやはり一致するものは『企業価値は向上させていかなきゃいけない』ということだ」と説明し、「ある意味(同ファンド側が)われわれの考え方を後押しされたということはあるかもしれない」と語りました。
業績見通しと株主還元を大幅に引き上げ
フジ・メディアHDは2月3日、2026年3月期通期の連結純利益予想を従来の185億円から225億円(前年は201億円の赤字)に上方修正しました。年間配当予想も従来の1株50円から125円に引き上げ、2027年3月期から2028年3月期までの2年間は1株200円とすることを明らかにしています。
旧村上ファンド側との対立は約1年にわたる対話を経て収束に向かっており、フジ・メディアHDは不動産事業の再編を通じて資本効率を高め、メディア・コンテンツ事業の成長と株主還元の拡充を同時に進める戦略を本格化させます。












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