三井住友銀行は、10月から約3万人の全従業員を対象に、これまで一部の社員にのみ認められていた社外での副業を解禁すると発表しました。事前に申請し承認を得ることが前提ですが、月20時間まで他社との雇用契約を結ぶことが可能となります。
ただし、副業先は本業と競合しない業種であることが条件とされており、業務に支障をきたさないよう十分な配慮が求められます。同行ではシステム開発やデザインのスキルを活かせる外部講師の仕事や、短時間の外部企業での勤務などを想定しているようです。
同行は2026年に年功序列の廃止を柱とした人事制度の改定を控えており、その一環として副業解禁に踏み切ったとみられます。人事制度全般の見直しを進める中で、社員の柔軟な働き方を後押ししていく考えです。
なお、みずほフィナンシャルグループは2019年に副業制度を導入し、2023年度には800人近くが活用するなど実績を上げています。三菱UFJ銀行も、週1〜2日程度の社外勤務を認める制度を設けており、金融機関は総じて社員の多様な働き方を推進しつつあります。
今回の三井住友銀行の決定で、3メガバンク全てが副業を解禁することとなりました。働き方の選択肢が広がることで、社員のモチベーション向上やスキルアップにも繋がることが期待されます。
ネット上では、「大手の金融機関が、従業員の多様性のための取り組みとして素晴らしい取り組みだと思います」「副業しなくても良いぐらいの給与があれば誰も副業などしない」「副業しなくとも十分暮らせるくらいの金を出してもらえるのが理想でしょうよ」など、さまざまな意見が寄せられています。
三井住友フィナンシャルグループの「働き方改革」とは?
三井住友フィナンシャル(SMBC)グループは、全従業員が「働きがい」を感じられる職場環境の整備と、組織全体の生産性向上を目的とした「働き方改革」に力を入れています。その一環として、有給休暇取得率の数値目標を設定し、2023年度は85.1%と目標を達成しました。
SMBCグループでは、法令遵守と労働環境の改善に注力しており、定期的に各社の労働条件をモニタリングすることで、過重労働の撤廃に努めています。2020年4月に導入された同一労働同一賃金についても、各社で適切に対応し、雇用形態に関わらず全従業員が働きがいを持てる環境づくりを推進しています。
また、SMBCグループ各社では、「フレックスタイム」「時差出勤」「変形労働時間」「裁量労働」などの制度を導入しており、従業員のライフスタイルや業務内容に合わせた柔軟な勤務体制を整えている点も特徴です。SMBC日興証券では「週3日・4日勤務」制度も取り入れています。
今回の社外副業解禁も「働き方改革」の一環であり、これらの取り組みを通じて企業価値の向上を図っていく方針です。今後のSMBCグループの動きにも注目が集まります。