ミラノ・コルティナ五輪、日本選手へのSNS中傷6万件超 JOCがMeta等と連携し24時間監視、法的措置も視野に

2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪で、日本選手に対するSNS上の誹謗中傷が6万件を超えていることが分かりました。日本オリンピック委員会(JOC)の日本選手団は13日、ミラノ市内のメインプレスセンターで中間記者会見を開き、団長の伊東秀仁氏が「誹謗中傷は毎日、想定以上の件数への対応に追われている状況です」と危機感を示しました。
JOCの説明によりますと、2月12日までにSNSなどネット上で確認された中傷コメントは6万2333件にのぼり、このうち1055件について投稿の削除を各プラットフォームの管理者側に申請し、実際に削除が確認できたのは198件だったといいます。 日本選手団は、日本とイタリアの2拠点で24時間体制の監視を続けており、担当者が中傷投稿をモニタリングしながら、各プラットフォームと協力して情報収集や削除要請、選手支援に当たっていると説明しました。
今大会では、フリースタイルスキー女子スロープスタイルの近藤心音選手が左膝負傷により2大会連続で五輪を棄権すると発表した後、インスタグラムに「もし選ばれても次は辞退してくださいね」といったメッセージが届き、問題化しました。 近藤選手は8日にインスタグラムのストーリーズを更新し、心ないコメントを引用して「人生で初めてのアンチです」と怒りをにじませましたが、こうした投稿が拡散することで、さらなる中傷を呼び込む構図も指摘されています。
伊東団長は会見で、「心ない言葉はアスリートの尊厳を傷つけ、不安や恐怖を生み、本来の力を発揮できなくなる状況を招きかねない」と強調し、「大舞台で戦う選手を、温かい言葉で応援していただきたい」と訴えました。 そのうえで、近藤選手が中傷コメントを引用投稿したケースにも触れ、「彼女の場合は引用することで、かえって広がってしまった。今は沈静化しているので、できるだけ掘り返さないようにしていただきたい」と呼びかけました。
JOCは、中傷の内容が名誉毀損や侮辱、脅迫などの重度なものについては、警察への相談や法的措置も含めて「関係機関と調整の上、必要に応じて適切に対応していく」としています。 インターネット上の誹謗中傷は、選手のメンタルや競技パフォーマンスに深刻な影響を及ぼしかねない社会課題となっており、JOCは「選手の心身を守るための取り組みを一層強化する」としています。
Metaと連携した24時間監視体制 SNS各社と協力し抑止へ
JOCはこうした事態を受け、ミラノ・コルティナ五輪開幕前からSNS事業者との連携を強化し、オンライン上の中傷対策に乗り出してきました。2月6日には、LINEヤフーやインスタグラムを運営する米メタなどのSNS管理者と協力し、選手への誹謗中傷防止へ向けた取り組みを強化すると発表しています。 JOCはミラノに6人、東京に16人のスタッフを配置し、人工知能(AI)ツールを活用しながら24時間体制でSNS上の投稿を監視し、悪質なコンテンツの検出と削除要請を行っています。
JOCによれば、監視活動は1月中旬から本格的に始まり、大会開幕前の段階で約2000件の不適切な投稿を確認し、そのうち複数百件について削除を要請したといいます。 ミラノ・コルティナ大会開幕後は、競技結果への反応や選手の負傷・棄権をめぐる投稿が急増し、確認される中傷投稿も急激に増加しました。
JOCは声明で、「SNSの普及に伴い、アスリートに対する誹謗中傷や悪質な書き込みが深刻な社会課題となっています。こうした行為は、アスリートの心身に大きな負担を与えるだけでなく、競技活動の継続やパフォーマンスにも影響を及ぼしかねません」と指摘し、中傷を控えるよう改めて呼びかけています。 3月に控えるパラリンピックに向けては、日本パラリンピック委員会(JPC)とも連携し、同様の監視体制と支援策を適用していく方針です。












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