第49回日本アカデミー賞「主題歌賞」に『Luminance』 映画『国宝』を象徴する一曲に

ジャケット写真

第49回日本アカデミー賞で、その年もっとも印象に残る主題歌を手がけたアーティストを顕彰する特別賞「主題歌賞」に、映画『国宝』の主題歌『Luminance』を担当した原摩利彦 feat. 井口理が選ばれました。
「主題歌賞」は第48回から設けられた新しい賞で、日本アカデミー賞協会の会長・役員による選考と、副賞協力企業であるラグジュアリージュエラーTASAKIの推薦によって決定されます。
初年度となる第48回では、映画『ディア・ファミリー』の主題歌「Dear」を手がけたMrs. GREEN APPLEが受賞しており、2年連続で主題歌に特化した評価が行われる流れが定着しつつあります。

『Luminance』は、原摩利彦さんが作曲・編曲、坂本美雨さんが作詞を担当し、井口理さんが歌唱を務めた楽曲です。映画本編の荘厳な劇伴を手がけた原さんの音楽世界を受け継ぎながら、クライマックスで井口さんの声が主人公・喜久雄の運命を包み込むように響く構成が高く評価されています。
歌と音楽と言葉が一体となることで、「暗闇を照らす一筋の光」というタイトルどおりの印象をスクリーンに刻み、観客の記憶に強い余韻を残したことが受賞理由とされています。

井口ソロアーティスト写真
タイトル:「国宝」 監督:李 相日 脚本:奥寺佐渡子
製作:アニプレックス/MYRIAGON STUDIO/アミューズ/東宝/ローソン/CREDEUS
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会
Marihiko Hara
タイトル:「国宝」 監督:李 相日 脚本:奥寺佐渡子
製作:アニプレックス/MYRIAGON STUDIO/アミューズ/東宝/ローソン/CREDEUS
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会

原さんは受賞コメントで、劇伴に加え主題歌の作曲まで託した李相日監督への感謝を述べるとともに、「輝く言葉」を紡いだ坂本美雨さんと、「美しいという言葉では表せられない」と表現した井口理さんの歌唱への敬意を強調しました。
井口さんは「主題歌賞を受賞することができ、とても光栄です」とした上で、原さんの音楽と向き合う中で「表現に対して常に無我でありたい」という思いが強くなったと語り、今後も驕ることなく作品と誠実に向き合う姿勢を示しています。映画『国宝』は興行面でも成功を収め、実写映画の興行収入記録を更新するとともに、日本アカデミー賞で最多となる12部門16賞と新人俳優賞を獲得するなど、作品自体も高い評価を受けています。

今回の「主題歌賞」受賞は、物語を締めくくる楽曲として『Luminance』が作品世界に不可欠な要素となっていたことを改めて裏付けるものです。
授賞式は2026年3月13日(金)、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで行われ、司会はフリーアナウンサーの羽鳥慎一さんと、第48回日本アカデミー賞で『あんのこと』により最優秀主演女優賞を受賞した俳優の河合優実さんが務めます。

主題歌賞新設で広がる映画音楽評価の裾野

「国宝」メイン
タイトル:「国宝」 監督:李 相日 脚本:奥寺佐渡子
製作:アニプレックス/MYRIAGON STUDIO/アミューズ/東宝/ローソン/CREDEUS
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会

日本アカデミー賞で「主題歌賞」が新設された背景には、映画音楽の評価が従来の劇伴だけでなく、主題歌という形でも作品の世界観を体現し、観客との架け橋になっている現状があります。
協会は設立当初から音楽部門を設けて劇伴作曲家を顕彰してきましたが、近年は主題歌がSNSや配信を通じて広く共有され、映画の認知拡大やブランド形成にも大きな役割を果たすようになりました。

第48回でのMrs. GREEN APPLE「Dear」の受賞は、実話をもとにした『ディア・ファミリー』のドラマ性と楽曲のメッセージ性が強く結びついた事例として注目されました。
今回の『Luminance』受賞も、作品『国宝』が持つ重厚なテーマ性と音楽的世界観が密接に連動している点で、選考の連続性が感じられます。

副賞協力を行うTASAKIは、第48回でも主題歌賞を含む各賞の受賞者にジュエリーやオリジナルクロックを贈っており、映画人の創作活動を長期的に支えるパートナーとしての存在感を強めています。
日本映画界の式典において主題歌を単独で顕彰する流れが定着すれば、作詞家・作曲家・アーティストが映画制作の早い段階から企画に参加する動きが一層広がる可能性があります。映画『国宝』が記録的なヒットと多数受賞に至った背景には、物語・演出・俳優の演技に加え、主題歌が作品体験の終幕を結晶させる役割を果たしたことがあります。
主題歌賞の継続的な実施によって、今後も日本映画において、音楽が物語と観客をつなぐ「一筋の光」として機能するケースが増えていくことが期待されます。

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