
厚生労働省は13日、2017年と2018年に全国で新たにがんと診断された患者の5年生存率を公表しました。全国の医療機関から患者情報を集約する「全国がん登録」に基づく集計で、がん種によって生存率に大きな差がある実態が浮き彫りになりました。
15歳以上の成人では、前立腺がんの5年生存率が最も高く、2017年診断例で92.2%、2018年診断例で92.5%となり、いずれも9割を超えました。一方で、膵臓がんは2017年診断例で12.6%、2018年診断例で13.5%にとどまり、依然として極めて厳しい予後であることが示されました。厚労省は今年1月、2016年診断分について同じ全国がん登録に基づく5年生存率を初めて公表しており、今回の2017・2018年分はそれに続く公表です。
2017年診断分でみると、15歳以上の主ながんの5年生存率は、乳がん(乳房)が88.0%、大腸が68.0%、胃が64.3%、肺が39.8%などとなっています。2018年診断分では、乳がん88.4%、大腸68.0%、胃64.4%、肺39.6%と、おおむね横ばいの傾向が確認されています。厚労省によると、2016年診断分との比較では全体として大きな変化はない一方、膵臓や肺、多発性骨髄腫など一部のがんでは生存率の上昇がみられました。
こうしたデータは、治療成績の評価や将来的な予後の見通し、医療提供体制の整備などに活用される重要な指標とされています。専門家は、前立腺がんで高い生存率が維持されている一方、膵臓がんでは早期発見の難しさや治療選択肢の限界が依然として課題だと指摘しており、検診体制の強化や新規治療法の開発が求められています。
全国がん登録法制化でデータ整備が前進 部位別の差と今後の課題
2016年施行のがん登録推進法により、すべての病院と都道府県が指定した診療所にがん患者情報の届け出が義務付けられ、「全国がん登録」が本格運用されました。これにより、従来は把握が難しかった全国レベルでの5年生存率が継続的に集計・公表される体制が整い、地域間や医療機関間のバラつきも含めた実態把握が可能になっています。
2016年診断分の初公表では、15歳以上のがん患者の5年生存率は前立腺が92.1%、乳房88.0%、大腸67.8%、胃64.0%、肺37.7%、膵臓11.8%などとされており、部位による差が既に明確になっていました。今回の2017・2018年分では、こうした傾向がほぼ維持される中で、膵臓や肺など一部の難治性がんでわずかながら改善がみられた形です。
前立腺がんについては、比較的早期に発見されやすいことや、手術・放射線・ホルモン療法など治療選択肢の進歩により、他のがんと比べて生存率が高い水準にあります。一方、膵臓がんは自覚症状が乏しく進行してから見つかるケースが多いため、ステージが進むほど生存率が急激に低下することが知られており、全ステージ平均でも1割台前半にとどまる状況です。
国立がん研究センターなどは、がん種ごとの統計や治療指針を公開し、患者や家族が病気の特徴や治療成績を理解できるよう情報提供を続けています。今回示された最新の5年生存率は、患者や医療者にとって治療方針を検討するうえでの重要な参考となる一方、難治性がんへの対策強化や地域格差の是正など、今後の政策課題を浮き彫りにしているといえます。
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