日本の4キャリア、衛星スマホ通信が本格競争へ StarlinkとAST SpaceMobileでエリア拡大

米SpaceXは、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC Barcelona 2026」の基調講演で、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「Starlink Mobile」の最新状況を明らかにしました。 日本については、既に提携しているKDDIに加え、新たに2社の通信事業者にサービスを提供する計画を示し、日本市場での展開加速を打ち出しました。 Starlinkは、2024年から打ち上げを開始した第1世代「Direct to Cell」衛星の650機体制を構築し、5大陸32カ国で運用しており、衛星経由のモバイルサービスのアクティブユーザー数は世界で1000万人規模に達していると説明しています。
国内では、KDDIが2025年4月に「au Starlink Direct」を開始し、日本初のスマートフォンと衛星の直接通信サービスとして展開を進めてきました。 サービス初期はSMSと緊急地震速報などの緊急速報メールの受信に対応し、その後2025年8月からはデータ通信にも対応するなど機能拡張を進めています。 KDDIは、山間部や離島など既存の4G/5G基地局ではカバーしきれないエリアを補完し、「空が見えればどこでもつながる」ことを売りにしています。 接続者数については100万人突破が公式に公表されており、その後も利用が拡大しているとみられます。
一方、SpaceXが提携先として社名を伏せた「あと2社」については、NTTドコモとソフトバンクの動きと合致すると国内メディアは報じています。 NTTドコモは2025年5月の決算会見などで、衛星とスマホの直接通信サービスを2026年度初頭に開始する方針を示しており、2月9日付のニュースリリースでも同様の計画を公表しています。 ソフトバンクも2025年の決算会見で2026年中の衛星直接通信開始を表明し、2026年2月には「来年度中にやる」と強調するなど、Starlinkを活用したサービス導入に向けた準備を進めているとされています。 これらの動きにより、日本の主要3社がStarlinkを軸とした衛星直接通信の立ち上げフェーズに入った格好です。
楽天はAST SpaceMobileで対抗 衛星スマホ通信が「標準サービス」化へ
4社目の楽天モバイルは、SpaceXではなく米AST SpaceMobileの低軌道衛星を採用し、「Rakuten最強衛星サービス Powered by AST SpaceMobile」を2026年第4四半期(10〜12月)の商用開始に向けて準備しています。 2025年4月には福島県内で市販スマートフォン同士による衛星経由のビデオ通話試験に成功しており、既存の地上ネットワークが届かない山間部や海上までエリアを拡張できることをアピールしました。 AST SpaceMobileの衛星はStarlinkと比べてアンテナが大きく、当初からブロードバンド通信を前提とした設計で、動画視聴やSNS利用に耐えうる通信速度を実現できるとしています。
SpaceXはMWCの講演で、次世代となる第2世代衛星の計画にも言及しました。 2027年に打ち上げを開始する第2世代では、S帯周波数と大型フェーズドアレイアンテナを用いることで、下り最大150Mbpsの通信速度を目標とし、1基あたりのデータ処理能力は第1世代の約100倍、5G NR NTN規格への対応も掲げています。 打ち上げには大型ロケット「Starship」を使用し、1回の打ち上げで約50機の衛星を投入できると説明しており、衛星ブロードバンドの大容量化とコスト効率向上を狙います。
国内では、2026年度中にKDDI、NTTドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアすべてが、スマートフォンと衛星の直接通信サービスを提供する見通しであると報じられています。 KDDIが先行し、ドコモとソフトバンクがStarlinkを通じて追随し、楽天モバイルはAST SpaceMobileで差別化を図る構図です。 災害時のバックアップ回線としての役割に加え、山間部や離島、観光地、海上などでの常用回線としての活用も視野に入っており、衛星スマホ通信が「一部の特殊サービス」から携帯各社の標準機能へと移行しつつあります。












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