クルド人新年祭「ネウロズ」で暴行被害、戸田市議・河合悠祐氏が救急搬送 埼玉・秋ケ瀬公園

秋ケ瀬公園(埼玉県さいたま市桜区)

埼玉県さいたま市桜区の県営秋ケ瀬公園で22日に開かれた中東民族クルド人の新年祭「ネウロズ」の会場で、埼玉県戸田市の河合悠祐市議会議員が何者かから暴行を受け、救急搬送されました。祭りは、川口市のクルド人団体「日本クルド文化協会」が主催し、埼玉県南部などに暮らすクルド人や日本人ら約1500人が参加しました。会場では、華やかな民族衣装に身を包んだ参加者が伝統音楽に合わせて踊るなど、クルド人の新春を祝う恒例行事として行われていました。

一方で、現場には外国人排斥を訴える戸田市の市議らも姿を見せ、祭りの参加者らと一時もみ合いとなるなど、緊張が高まる場面もあったと報じられています。その最中に河合市議が参加者とみられる人物に殴打されるなどの暴行を受けたとされ、X(旧ツイッター)などのSNS上には、警察官に警護されて歩く河合市議が、サングラス姿の男性から顔面を殴られ、地面に倒れ込む様子を捉えた動画や画像が複数投稿されています。河合市議は口の中を切るなどのけがを負い、救急搬送された後に病院で手当てを受けたとみられ、その後、警察の事情聴取にも応じたとする報道もあります。

暴行の一部始終を映したとされる動画には、複数の警察官が仲裁に入る様子が映っているものの、その場で加害者とされる人物が現行犯逮捕される場面は確認されていません。埼玉県警浦和西署は、河合市議への暴行事案について「事案は承知しているが、捜査中のため詳細な回答は差し控える」とし、被害届の受理の有無や容疑の内容、加害者の特定状況などについては明らかにしていません。

今回の事件は、日本に暮らすクルド人コミュニティと地域社会との関係や、多文化共生のあり方、さらにはヘイトスピーチや外国人排斥をめぐる対立が表面化した象徴的な出来事として、インターネット上でも大きな議論を呼んでいます。

捜査は継続も詳細は公表されず クルド人コミュニティと地域社会の課題浮き彫りに

浦和西署は、暴行の経緯や容疑の適用、加害者とされる人物の身元などについて「捜査中」を理由に具体的な説明を避けており、現時点で逮捕者が出ているかどうかも含め、詳細は明らかにされていません。SNS上では、動画に映る人物の特定を試みる投稿や、警察の対応が適切だったかを検証しようとする書き込みが相次いでいますが、真偽不明の情報も多く、今後の捜査結果や公式な説明が待たれる状況です。

一方、「ネウロズ」はクルド人にとって最も重要な祝祭の一つとされ、日本クルド文化協会が主催する形で毎年、秋ケ瀬公園などで開催されてきました。今年も約1000〜1500人が集まり、ダンスや料理を通じて日本人とクルド人の交流を深める場として企画されていたといい、主催者側は「日本人とクルド人が仲良く平和的に暮らしていけることを願っている」とコメントしています。しかし、周辺地域では、近年増加したクルド人住民をめぐるトラブル報道やヘイトスピーチなどもあり、一部の政治家や市民団体が強硬な姿勢を示してきた経緯があります。

今回、祭りの場で地方議員が暴行被害を受けたことで、外国人コミュニティと地域住民の対立構図が改めて注目されるとともに、行政や警察の対応、多文化共生に向けた具体的な取り組みの在り方が問われています。今後、捜査の進展とともに事実関係がどこまで解明されるか、そして、当事者間や地域社会がどのように対話と安全確保の仕組みを構築していくのかが焦点となりそうです。

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