
ロシア軍がウクライナ東部で大規模な攻勢を強めています。米国の関心が緊迫するイラン情勢に集中している現状を「好機」と捉え、膠着状態にある前線の突破を図る狙いです。特に目標とするドネツク州の完全制圧に向け、3月中旬から歩兵戦闘車を主力とした攻撃を大幅に増加させています。
ロシアとウクライナの仲介役を担ってきた米国ですが、現在は中東対応に追われており、ウクライナ支援の優先順位が低下しています。ゼレンスキー大統領は米露との3カ国協議に前向きな姿勢を見せていますが、米国側は協議の延期を要請しました。さらに、21日に行われた米宇高官協議でも実質的な進展はなく、最強の防空システムとされる地対空ミサイル「パトリオット」の供与を米国が絞るとの観測も浮上し、ウクライナ側には危機感が広がっています。
戦況については、春の訪れとともに濃霧など天候の悪化が予想されています。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は23日、ロシア軍が天候不順によるドローン偵察の弱体化を突き、新たな部隊の投入を準備しているとの分析を示しました。実際に、17日からの4日間だけでドネツク州周辺への攻撃は600回を超え、数万人規模の兵士が投入されています。
対するウクライナ軍は、強固な要塞地帯を構築して応戦しています。発表によれば、ロシア軍は20日までの4日間で6000人を超える死傷者を出しており、米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、ロシアの進軍ペースは鈍化していると指摘しました。また、ロシア軍が不正利用していた米スペースXの「スターリンク」から遮断されたことも、ウクライナ軍には有利に働いています。
過去最大の「飽和攻撃」による戦術的転換点
ロシア軍は、ドローンを用いた攻撃の規模も劇的に拡大させています。23日夜から24日にかけて、およそ950機という過去最大規模のドローンをウクライナ各地に投入しました。この攻撃では、これまで主流だった夜間だけでなく日中にも継続して発射が行われ、ウクライナの防空体制を無効化する「飽和攻撃」が展開されています。
ロシアは長距離攻撃用ドローンの量産体制を整え、1日あたり1000機超を発射する計画を立てているとされます。今回の24時間を通じた絶え間ない攻撃能力の誇示について、戦争研究所(ISW)は「戦術面での重要な転換点になる」と分析しました。ウクライナ軍は南東部ザポリージャ州などで局地的な陣地奪還に成功しているものの、ロシア軍の圧倒的な物量作戦による防空網への負荷は、中長期的な懸念材料となっています。
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