トランプ大統領、対イラン作戦の「段階的縮小」を示唆しつつ海兵隊増派 硬軟織り交ぜ揺さぶり

トランプ大統領、対イラン作戦の「段階的縮小」を示唆しつつ海兵隊増派 硬軟織り交ぜ揺さぶり

トランプ米大統領が対イラン軍事作戦をめぐり、「段階的に縮小することを検討している」とSNSに投稿しつつ、中東への海兵隊増派を同時に進めていることが明らかになりました。 作戦の先行きについて「目標達成に非常に近づいている」と強調する一方、地上部隊の投入を含む戦力強化を続ける姿勢は、イラン指導部に対する圧力と対話の余地を併存させる「硬軟両にらみ」の戦略と受け止められています。

トランプ氏は今回の軍事作戦の目標として、イランのミサイル能力と発射装置の「完全な無力化」、防衛産業基盤の破壊、海軍・空軍戦力の排除を掲げ、軍事面での徹底的な弱体化を図る考えを示しています。 さらに、核開発を「少しでも近づかせない」として、核兵器開発の阻止と、それに備えた迅速・強力な対応態勢の維持を明示し、中東の同盟国の「最高水準での保護」を最終目標として位置づけています。

一方で、ホルムズ海峡の安全確保については「同海峡を利用する国々が将来的に自ら警備・監視すべきだ」と主張し、日本や欧州諸国などに負担分担を迫る姿勢を見せてきました。 トランプ氏は当初、航行再開に向けて日本などに艦船派遣を求めましたが、その後、自ら「もはや支援は必要ない」と発言するなど、同盟国への要請と撤回を繰り返しており、場当たり的との批判も出ています。

実際の戦力運用では、日本を拠点とする米海軍の強襲揚陸艦「トリポリ」と約2500人の海兵隊部隊が中東に向かっており、ホルムズ海峡周辺での上陸作戦や限定的な地上戦にも対応可能な態勢が整えられつつあります。 米軍はすでにイランの原油輸出の約9割を担うペルシャ湾のカーグ島を空爆し、軍事目標を「完全に破壊した」と主張しており、イラン側の軍事力に相当の打撃を与えたとみられます。 ただ、トランプ氏は「石油施設は無傷だ」と説明しつつ、イランがホルムズ海峡での石油輸送を妨害すれば「この判断を見直す」と警告しており、さらなる攻撃に含みも残しています。

こうした中、トランプ氏はこれまで「大きな波はまもなく来る」とイランへの大規模攻撃を示唆する発言を行う一方、「作戦を長引かせたくない」と早期の作戦終結にも言及するなど、メッセージは揺れています。 作戦期間についても当初は「4〜5週間」を想定していると述べていましたが、米国防長官は「明確な期限は設けない」としており、長期戦も辞さない構えがにじみます。

地上部隊投入が映す泥沼化リスクと同盟国への影響

米軍はホルムズ海峡周辺でのイランの船舶攻撃を受け、海峡封鎖の解除と航路の安全確保を名目に軍事的圧力を強めています。 強襲揚陸艦トリポリに乗り組む海兵隊は、上陸作戦や船舶臨検に対応できる即応部隊であり、今後、ホルムズ海峡沿岸の掌握やカーグ島の制圧など、より直接的な地上作戦に踏み込む可能性も指摘されています。 1979年のイラン革命以降、石油市場への影響を懸念して歴代米政権が避けてきたカーグ島攻撃という「一線」を越えたことは、トランプ政権がイラン指導部に無条件降伏を迫る強硬路線に傾斜している象徴と受け止められています。

しかし、ホルムズ海峡はイラン側にとって地理的優位を生かしたゲリラ攻撃が可能な海域であり、小規模な攻撃でも事実上の封鎖状態を引き起こし得る脆弱性を抱えています。 米国やイスラエルによる空爆でイランの軍事力が相当程度削がれたとしても、地上部隊の投入は軍事衝突を一層激化させ、作戦の泥沼化リスクを高めるとの懸念が根強いです。 トランプ氏が「戦闘終結は宣言しない」と述べ、早期停戦を否定する発言を重ねる中で、イラン側の激しい抵抗が続けば、米軍死傷者の増加や中東全体への波及など予測不能な展開も指摘されています。

外交面では、米国がイスラエルと連携して軍事行動を主導しながら、欧州やアジアの同盟国に十分な事前説明を行わず支援を求めてきたことが、同盟国の不信や反発を招く可能性があります。 トランプ氏は一時、日本などに艦艇派遣を求めたものの、その後「日本の支援は不要だ」と発言して要請を事実上撤回しており、日本では中東情勢の緊迫化がエネルギー供給や自衛隊派遣議論に影響しかねない状況です。 今後、米国が作戦の「段階的縮小」を本格化させるのか、それとも地上戦拡大に踏み込むのかは、中東の軍事情勢だけでなく、国際エネルギー市場や同盟国の安全保障政策にも重大な波紋を広げることになりそうです。

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