
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業「ブルーオリジン」は、日本時間の11月14日午前6時前、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から大型ロケット「ニューグレン」の2度目の打ち上げに成功しました。このロケットにはNASA(米航空宇宙局)の火星探査機2機が搭載されており、将来の有人探査に向けた重要なミッションとなっています。
ニューグレンは全長98メートルを超える新型巨大ロケットで、世界で最も強力な民間用ロケットの一つです。打ち上げからわずか33分後には、NASAの火星探査ミッション「ESCAPADE」に関連する2つの無人衛星を予定通りの軌道に投入することに成功しました。これらの探査機は、将来の有人火星探査に備えて火星の磁気圏や大気の状態を調査する重要な役割を担っています。火星到達は2027年9月が予定されており、その後1年間にわたり火星の宇宙環境を観測する予定です。
特に注目されるのは、ロケット打ち上げからおよそ10分後に実現した第1段ブースターの回収成功です。再利用が可能な第1段ブースターは、大西洋上のプラットフォーム「ジャクリン」に完全な形で着地し、ブルーオリジンとしては初めての成功となりました。今年1月のニューグレン初打ち上げでは第1段の回収に失敗していたため、今回の成功は極めて重要なマイルストーンです。このブースターは今後の打ち上げのために再利用される予定で、ロケット打ち上げのコスト削減につながる技術的突破口となっています。
ライバル企業との競争激化で民間宇宙産業が急速に進化
これまで軌道級ロケットでブースターの自動着地に成功していたのはイーロン・マスク氏が率いるスペースXだけでした。今回のブルーオリジンの成功により、民間宇宙開発競争の競争環境が大きく変わろうとしています。スペースXのマスク氏自身も、公式な競争相手であるベゾス氏に向けて「おめでとう」と祝福コメントを投稿するなど、業界全体で今回の成功が高く評価されています。
ブルーオリジンのデイブ・リンプCEOは、「これほど大型のブースターが2回目の試みで着陸に成功したのは歴史上初めてのこと。これはほんの始まりに過ぎない」とコメントしており、今後の打ち上げ頻度の増加と商業化への強い決意を示しています。ロケット打ち上げコストの削減が進むことで、これまで高額だった宇宙利用がより現実的になり、衛星通信や月面探査、火星有人探査といった壮大な宇宙プロジェクトへの道が大きく開かれることが期待されています。












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