英住宅ローン会社MFS破綻、欧米・日本の金融株に連鎖安

英住宅ローン会社MFS破綻、欧米・日本の金融株に連鎖安

ロンドン拠点の英住宅ローン会社マーケット・フィナンシャル・ソリューションズ(MFS)が2月25日に破綻申請を行い、管財人管理下に入りました。 MFSは賃貸用不動産向けローンや不動産担保ローンを手がける住宅ローン専門会社で、融資残高は約20億ポンド(約4200億円)規模とされています。

破綻が伝わると、MFSに資金を供給していたとされる英バークレイズや米ウェルズ・ファーゴ、米アポロ・グローバル・マネジメント傘下アトラスSPパートナーズなどの関与が意識され、欧米の金融株に売りが広がりました。 バークレイズ株は27日に前日比4%程度下落し、米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループは約9%安と急落しました。

MFSを巡っては、同一不動産を複数の融資の担保に入れる「二重担保」や詐欺行為の疑いが指摘され、ガバナンスの不備が浮き彫りになっています。 口座を保有していた銀行がマネーロンダリング対策などの観点から口座凍結に動いたことが資金繰り悪化に拍車をかけ、破綻に至ったとみられています。

高金利環境の長期化で不動産市況が減速し、借り手の返済負担が重くなるなか、利回りを追う資金が不動産担保融資に流入する一方で、審査や管理が緩んでいたのではないかとの見方も出ています。 サブプライムローン問題を想起させるとの指摘もあり、「個別の不正案件」にとどまらず、不動産金融全体に潜在するリスクへの警戒が強まりました。

2月27日の米株式市場では、こうした懸念から銀行株を中心に金融株が全面安となり、KBWナスダック銀行株指数は取引時間中に前日比5%近く下落する場面がありました。 欧米のオルタナティブ投資を象徴する大手ファンドの株価も軟調で、アポロ・グローバル・マネジメントやKKR、アレス・マネジメントなどが5%超下落しました。 連想売りは日本市場にも及び、三菱UFJフィナンシャル・グループなど国内大手行や証券株も下落しています。

プライベートクレジットへの警戒強まる

MFS破綻と前後して、銀行以外の投資ファンドが企業などに貸し付けを行う「プライベートクレジット」市場への視線も厳しさを増しています。 大手機関が運営するプライベートクレジット・ファンドでは、融資先企業の元利払い延滞率が上昇しているとの報告が相次ぎ、「融資の質」への懸念が浮上しています。

金融危機後の規制強化で銀行貸し出しが抑制される一方、より高い利回りを求めるマネーがファンド経由の直接融資に流れ込み、市場は急拡大してきましたが、その裏で与信審査やモニタリングが十分だったのかが改めて問われています。

MFSでは家族経営の下、少人数が融資決定を握り、不透明な資金の流れや二重担保が疑われるなど、統治体制の甘さが指摘されています。 高利回り商品を優先するあまり、リスク管理が二の次となる構図を象徴する事例と受け止める声もあります。 米大手銀行経営者がかねて、信用問題について「ゴキブリは1匹だけではない」と警鐘を鳴らしてきた背景には、こうした連鎖的な信用不安への恐れがあります。

株式市場では2月下旬以降、AI関連銘柄の調整と信用リスク不安が重なり、金融株が「無差別売り」に近い形で手放される展開もみられました。 日本の投資家も「見えにくい信用リスク」への感度を高めており、今後もMFSのような不正疑惑案件や、プライベートクレジット市場での延滞表面化に敏感な地合いが続くとみられます。

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