戦略的な上場廃止 フトン巻きのジローが仕掛ける“再上場”への布石と「コジロー」の可能性

布団専用コインランドリー

布団洗い専門コインランドリー「フトン巻きのジロー」を展開するフトン巻きのジロー株式会社が、再挑戦に向けた動きを強めています。同社は、東京証券取引所の東京プロマーケットに2023年に上場したものの、2025年12月25日付で自己申請による上場廃止となりました。 上場維持コストの削減と経営再建を優先し、将来的な一般市場への再上場を視野に入れた判断だと報じられています。 上場廃止はネガティブに受け取られがちですが、同社は「次の飛躍に向けた戦略的撤退」と位置づけ、収益モデルの再構築に取り組んでいます。

同社は2017年設立で、本社は栃木県宇都宮市にあり、布団洗いに特化したコインランドリーとして全国に店舗網を広げてきました。 東京プロマーケットでは証券コード9167で上場していましたが、債務超過に陥る中で、取締役会と臨時株主総会を経て上場廃止申請と正式決定に至りました。 東証は2025年11月27日に整理銘柄指定と上場廃止日を公表し、同年12月25日に上場を終了しています。

一方で、事業面では「原点回帰」ともいえる新業態の開発が進んでいます。同社は小型コンテナ式ミニランドリー「フトン巻きのコジロー」を2024年9月に本格展開し、駐車場1台分のスペースで開業できるマイクロランドリーとして打ち出しました。 必要スペースは車1台分で、洗濯乾燥機2台を基本構成とする省スペース店舗とされ、狭小地や遊休地でも出店が可能な点が特徴です。 住宅地やマンション敷地内など生活動線の近くに設置しやすく、近さと日常利用のしやすさを重視したモデルだとされています。

「コジロー」は、土地オーナーや地主にとっても固定費を抑えた投資案件として訴求されており、活用していない小規模な土地の資産価値向上策として紹介されています。 沖縄県を中心に2024年時点で10店舗(沖縄9、千葉1)からスタートし、その後も県内外で店舗数を増やしているとされます。 小型・無人経営による省人化と、布団も洗える機械構成を組み合わせることで、高収益を目指すモデルとして位置づけられています。

コンビニ連携で加速する「沖縄モデル」と再上場シナリオ

新業態の拡大とあわせて、同社が力を入れているのが大手コンビニエンスストアとの連携です。沖縄県内では「ローソン」店舗にランドリー設備を導入する取り組みが進められており、旅行者や観光客の洗濯ニーズに対応するサービスとして紹介されています。 コンビニの24時間営業とランドリー機能を組み合わせることで、時間や天候に左右されにくい利便性を打ち出し、日常利用と観光需要の双方を狙う「沖縄モデル」の実証が進んでいます。

沖縄の住宅事情や観光需要を背景に、狭い土地でも設置できる「コジロー」は、地方から都市部まで展開可能なマイクロ店舗戦略として注目されています。 土地の制約が大きい都市部や、大型店舗が出しにくい過疎地でも機能するフォーマットをつくることで、同社は全国での多店舗展開と収益性の両立を目指しています。

上場廃止後も、同社は上場維持コストを抑えつつ、こうした新業態や提携モデルの磨き込みを通じて経営再建と成長の両立を図る方針とされています。 「フトン巻きのジロー」と「コジロー」を両輪としたランドリーネットワークが安定収益を生み出すモデルとして確立されれば、一般市場での再上場に向けた条件が整う可能性もあります。 沖縄発のランドリービジネスが、マイクロ店舗とコンビニ連携を武器に、再び株式市場のメインステージへ挑む展開が注目されます。

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