26日、米Metaが第3四半期決算を発表 売上高は前年同期比4%減で2四半期連続減少

旧Facebookの米Metaは26日、第3四半期(7〜9月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比4%減の277億1,400万ドル(約4兆600億円)であり、2四半期連続で減少。純利益も52%減の43億9,500万ドルでした。

売上高が減少した主な理由は、マクロ経済の影響によって主力の広告事業が減速したためだとされています。これには、中国系の動画投稿アプリ「TikTok」との競争激化も影響しています。

そのほか、Questシリーズのヘッドセットやメタバースを担う「Reality Labs」の売上高がほぼ半減しました。「Reality Labs」の損失は36億7,200万ドルだとされています。株価は引け後の時間外取引で14%下落。時価総額は約400億ドル消失しました。

なお、米グーグルの親会社である「Alphabet」が25日に発表した7~9月期決算でも、純利益が27%減少しているなど、ネット広告を主軸とする大手IT企業は苦戦を強いられています。

Metaは今後流行するメタバースに先行投資している

Facebookのネット広告事業からメタバースビジネスに移行しつつあるMetaは、2四半期連続で売上高が減少しました。株価暴落もあり、Metaのビジネスモデルを批判する声が殺到しています。

しかし、Metaは2023年後半に発売を予定する次世代Questに向けて先行投資を増やすなど、VR/ARのビジネスを大幅に拡大する見通しです。売上の大部分を占めるSNS事業が疎かになっており、多くの投資家の不安を煽っているのは事実ですが、マーク・ザッカーバーグは当初からかなりの赤字が出ることを予期していました。

以前の年次株式総会にて、投資利益率に関する質問を受けたマーク・ザッカーバーグは、「人々が仮想空間でモノ・サービスを販売するビジネスが構築されるのに伴い、メタバースはいずれ利益を生むだろう」と回答しています。

続けて、「われわれは誰もができるだけ手頃な価格でハードウエアを入手できるようにし、デジタル経済の成長を確実にしたい」と語っています。つまり、現在Metaが赤字を出しているのは計画通りであり、今後流行するであろうメタバースに先行投資をしているだけなのです。

先行投資の事実を知っている一部ユーザーは、「今後のメタバースビジネスに期待」「メタバースへ投資するのは良いけど上限を設けてほしい」などの意見を発信しています。Metaの今後の動向から目が離せません。

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