
長年続くイスラエルとパレスチナの対立に、新たな動きが見られます。イスラエル政府は1月18日、パレスチナ自治区ガザとの停戦合意を閣議で正式に承認しました。19日の午後から停戦が発効し、イスラム組織ハマスによる人質解放も始まるとのことです。
しかし、ネタニヤフ首相は慎重な姿勢を崩していません。ハマスが合意に違反した場合は速やかに戦闘を再開する考えを示し、トランプ次期米大統領からも全面的な支持を取り付けたと述べました。
さらに、「ハマス壊滅」という目標は変わらないと力強く宣言しています。ハマスは停戦後、女性3人から順次人質33人の解放を進める予定ですが、イスラエルも拘束中のパレスチナ人を釈放するとのことです。
ただ、この合意が恒久的な平和に繋がるかは未知数です。今回の停戦合意がもたらす影響に世界中が注目しています。
ネット上では、「違反しているか否かはイスラエルが決めるべき事柄では無く、第三者での指摘が不可欠だと思う」「この停戦が守られるよう国際社会による監視・管理は必須だと思う」「最終の第3段階まで着実に進展するよう国際的監視団を組織すべき」などの意見が寄せられています。
停戦合意、3段階で進める計画 「テロリズムの完全勝利だ」と批判
停戦合意が日本時間午後6時15分に発効されました。合意の柱は、ハマスによるイスラエル人質の解放と、イスラエルによるパレスチナ人収監者の釈放です。これを3段階で進める計画ですが、その実現には曲折も予想されます。
実際、停戦発効までイスラエル軍はガザへの空爆を継続しています。19人もの犠牲者を出す事態となりました。
一方、ハマスは近く解放予定の女性3人の名前を公表。カタールの仲介により、イスラエル市民であることが判明しました。
停戦後、ガザの避難民は続々と帰還の途に就きました。さらなる人質解放の可能性や大規模な援助物資の搬入など、復興への兆しも見え始めています。
しかし、イスラエル国内では極右政党が停戦を「テロリズムの完全勝利だ」と批判しており、連立政権から離脱しました。同党を率いるイタマル・ベン・グヴィル国家安全保障相、アミハイ・エリヤフ・エルサレム問題・遺産相、イツハク・ワッセルラウフ周辺開発相が辞表を提出しています。