「頂き女子りりちゃん」に懲役8年6ヶ月、罰金800万円の実刑判決 最高裁で決着

SNSで「頂き女子りりちゃん」を名乗り、男性から金銭をだまし取った罪に問われていた渡辺真衣被告(26)の裁判が、最高裁判所で決着しました。懲役8年6ヶ月、罰金800万円の実刑判決が下りました。
渡辺真衣被告は、複数の男性に巧みに近づき、恋愛感情を抱かせた上で金銭を要求。「金に困っている」などの嘘をついて、総額1億5,500万円もの大金をだまし取った罪に問われていました。
さらに、その卑劣な手口を「恋愛マニュアル」としてネット上で販売し、他の利用者の詐欺行為をも助長していたのです。
1審の名古屋地方裁判所は、巧妙かつ悪質な犯行を厳しく断罪し、懲役9年、罰金800万円の重い判決を下しました。2審の名古屋高等裁判所は一部の事情を考慮し、懲役8年6ヶ月、罰金800万円に減刑しましたが、被告側はこれを不服として上告。
しかし、最高裁判所第3小法廷の宇賀克也裁判長は、被告の上告を退ける決定を下しました。これにより、懲役8年6ヶ月、罰金800万円の実刑判決が確定しました。
「頂き女子りりちゃん」の悪名を全国に轟かせた渡辺真衣被告に、法の裁きが下されることになったのです。ネット上では、「正直この長さにビビった」「自己責任と言われても仕方がないと思う」「結婚詐欺で不起訴の男とかから比べると長いな」などの意見が寄せられています。
「頂き女子りりちゃん」とは?存在意義を求めて風俗の世界へ
「頂き女子りりちゃん」とは、SNS上で男性たちから大金をだまし取った25歳の女性、渡辺真衣被告のことを指します。
幼少期から家族との関係に絶望していた渡辺真衣被告は、自らの存在意義を求めて風俗の世界に足を踏み入れます。そこで出会ったホストに心を奪われ、彼を指名ナンバーワンにするために多額の金を注ぎ込むようになりました。
しかし、ホストを一位にできなかったことで再び存在意義を見失った彼女は、ある出来事をきっかけに「頂き女子」への道を歩み始めます。風俗客の一人から375万円以上の支援を受けたことで、男性たちから金をだまし取ることを思いつくのです。
「頂き女子りりちゃん」として活動を始めた渡辺真衣被告は、男性から金を引き出すテクニックを「マニュアル」にまとめ販売。フォロワーから称賛を浴びる一方で、自らの行為への罪悪感にも苛まれていました。
結局、2023年8月に愛知県警に逮捕されました。裁判では、ホストへの貢ぎ金目当てという身勝手な動機が指摘される一方、反省の姿勢なども考慮され、当時は懲役9年、罰金800万円の判決が下されました。