
ホンダは自動車汎用半導体の分散調達を開始すると決定しました。半導体大手のロームをはじめ、国内外の複数社からの調達にめどがたち、量産車への搭載を1月中旬頃から順次開始します。
ホンダは幅広い自動車部品に汎用半導体を使用しており、サプライヤーから調達している部品の一部は、オランダの半導体メーカー・ネクスペリア1社に供給を依存していました。
ネクスペリアは中国の電子機器大手・聞泰科技(ウィングテック)傘下にあります。オランダ政府が2025年9月に安全保障の懸念から同社を管理下に置いたため、中国政府が対抗措置として輸出規制を発動し、供給が大きく滞る事態となりました。
この影響でホンダは、中国の3工場で2025年12月29日から2026年1月2日までの5日間、生産を停止しました。当初は1月5日の再開を目指していましたが、半導体不足が解消せず、再開をさらに2週間延期し、1月19日からの稼働再開を目指しています。
今回の対応によりホンダは、ロームなど複数メーカーから半導体を調達し、1月半ば頃から順次量産車に搭載する方針です。 ロームは設計から製造まで一貫して手がけており、ウエハー(基板)に回路を描く「前工程」は国内、部品に組み立てる「後工程」は東南アジアで行っているため、中国依存度を大幅に下げることが可能です。
オランダと中国の対立は一時的に落ち着きを見せているものの、代替部品の確保が進まず、自動車メーカーの在庫は逼迫している状況です。ホンダ以外にも、日産自動車が2025年11月に追浜工場と日産自動車九州で数百台規模の減産を余儀なくされるなど、影響は業界全体に広がっています。
業界全体に広がるサプライチェーン見直しの動き
自動車業界は部材の裾野が広いため、供給網のリスクが今回改めて浮き彫りとなっています。 2025年5月には中国によるレアアース(希土類)の輸出規制の影響で、スズキの国内工場において一部車種の生産が一時停止に追い込まれました。スズキは5月26日から主力の小型車「スイフト」の生産を停止し、6月13日に一部稼働を再開、同月16日に通常稼働に戻りました。
日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長は2025年10月23日、ネクスペリアの出荷停止問題について「本件は会員各社のグローバル生産に深刻な影響を及ぼす事態であると認識しております」とコメント。また「自動車メーカーと部品メーカーが緊密に連携して対応に当たっている。関係各国による迅速かつ現実的な解決がなされることを期待する」と述べています。
ホンダの対応は、日本の自動車メーカーが特定の国や企業への依存度を下げ、より強靭なサプライチェーンを構築する動きの先駆けとなりそうです。












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